好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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1+1 は 3 :: 2011/05/15(Sun)

オリキャラ1名登場します。

今日と明日(予定)更新分のみの出番の筈(-_-;)。


では14話、続きからどうぞ。






■   □   ■   □   ■   □




過去の苦しみに、逃げずに立ち向かったなら
この胸の痛みは消えるのだろうか。


もし、本当にそうだとしたら・・・・・




第14話









ピーポーピーポーピーポー






「はぁはぁはぁはぁ」

(なのは、なのは)


私は雨の中を必死で走っていた。











「ちょっと!」


ゆさゆさと身体を揺さぶられる感覚にはっと目が覚めた。



「・・・・・・私・・・」
「大丈夫?随分うなされてたわよ」
「あぁ・・・・夢、か」


外は雨が降っていて、近くを救急車が通っていったようだった。


(どうして、今頃あの時の夢なんか・・・・)


頭が重い。


「今、何時?」
「もうすぐ7時ね」
「そっか。」
「帰る?」



ゆっくりと首を横に振る。
今日は母さんは出張で家にいない。
兄さんも大学のサークルの合宿とかで留守にしていた。
誰もいない家には戻りたくなかった。



「じゃあ、ご飯食べてて。お店早めに閉めるから」
「わかった」





ここは、大通りから少し外れた場所にあるカフェバー。
お店のすぐ裏が自宅になっていて、私はこの店の
マスター(女性だけど)の所に転がり込んでいた。


おじさんから写真を貰ったあの日、私はフラフラと
近くの大通りを歩いていたらしい。
制服を着た学生が歩き回る時間帯ではなく、まして
とても正常な状態には見えなかったと後からマスターに
聞いた。


正直、写真を貰って泣いた所まではおぼろげに
覚えているが、そこからどうやって大通りまで出たのか
全く覚えていなかった。


多分私の頭は、これ以上傷ついてしまわないように、
勝手にリミッターをかけてしまったのではないだろうか。


マスターも係わり合いになりたくはなかったので
そのまま放っておこうと通り過ぎた時に、私が
彼女の腕を突かんで離さなかったんだと呆れたように
話してくれた。



(縋るように擦り寄ってくる私が何だか犬っころ
みたいだって言ってたな、そういえば・・・・)



くくっと笑みがこぼれる。



確かにあの大通りにどうやって出たのかは分からなかった。
けど、前から歩いてくるマスターを見て、私は一瞬錯覚
したんだ。


彼女と同じ亜麻色の長い髪。
彼女と同じ蒼い瞳。


あの時の私は、たったそれだけの事でマスターに
縋ったんだ。そう、私はあの時マスターに彼女を求めた。
馬鹿な事をと罵ってくれてもいい。けれどあの時の私は
マスターを通してなのはに縋っていた。


(冷静になってみれば、全然似てないのに)


あの写真を見たせいで、必死に閉じ込めてきた
想いが、重たい蓋を持ち上げて溢れだそうとしていた。
もう楽になりたかった。こんな辛い思いは耐えられそうに
なかった。誰かに助けて欲しかったんだ。


マスターは何も言わずにただ私のそばにいて
私の肩を抱いていてくれた。どうした?とも
何があった?とも聞かずに、ずっとただ傍にいてくれた。


どれだけそうしていたのか分からない。
ただ青い空が赤く染まり始めた頃、私が「帰る」と
言った言葉にマスターは静かに頷くだけだった。


帰り際、いつでも遊びに来るといい、そう言ってお店の
名前と住所の入ったカードを持たせてくれた。
それから、蓋が開きそうになる度に私はここに来るようになった。


マスターもただ黙って置いてくれて、私も夕方には
家に帰る。だから泊まっていくのは今日が初めてだった。














「ただいま」
「おかえり」
「ご飯は?」
「食べたよ」


短い言葉を交わす。
時刻は11時を少し回った所。


「明日も学校でしょ。早く休んだ方がいい」
「分かってる、・・・・・けど」


我侭だって分かっていた。こうして今ここにいる事だって
本当は迷惑だって。だけど、どうしても誰かに傍にいて
欲しかった。


「全く・・・・。ちょっと待ってて。シャワー浴びてくるから」
「ぅん・・・・ごめん迷惑かけてるよね」
「ふっ、あなたを拾った時に諦めてるわよ」


そう言ってマスターはバスルームへと消えていった。









「どうして何も聞かないの?」
「聞いて欲しいの?」


私達は2人でベッドに並んで横になっていた。
私は彼女に借りたパジャマを着て。



「どうかな」
「何よ、それ」
「ふふ、そうだね」
「・・・・・・」
「ねぇ」
「ん?」
「私の事・・・・・・好きにしていいよ」


小さな声で呟いた。
ピクリとマスターの肩が震えた。


「何を・・・」
「・・・・・・・見てれば分かるよ。」


そう言って彼女を見つめる。
私は一体何を言ってるのだろうか?。
いや、本当は分かっていた。
私はなのはを忘れるために誰かに
溺れてしまいたいのだと。



もぞりとマスターが起き上がり、
私に覆いかぶさってくる。
ゆっくりとその右手が動き私の身体を
下から辿って上がってくる。
そして頬にたどり着いて・・・・・・・






むにっ






思いっきり抓られた。


「いたっ!」


反射的にその手を払う。


「痛いよ!何するのさ」
「ガキの考える事は短絡的でいいわねぇ」
「えっ?」
「あなた、どれだけ辛い想いを抱えてるのか知らないけど
私に抱かれれば忘れられるとでも思ってるわけ?」
「そ、それは。」


的を得た言葉に私は返す言葉がなかった。


「甘いよ・・・・・それだと、今は良くてもすぐにもっと辛くなる」


静かに紡がれる言葉に私はマスターから
目を逸らす事しか出来なかった。


「ちゃんと向き合った?」
「えっ?」
「あなたのここにある辛い事と、ちゃんと向き合った?」


私の胸を指差して尋ねられた。



「逃げてばかりだと、前には進めない。」
「辛くてもちゃんと向き合って、ぶつかってみたらいい」
「そうしないと、あなたはいつまでもそれに囚われたまま」


そういい切るマスターに私も尋ねた。


「向かい合わなくても、結果が分かっていたら?」
「どうあっても叶わないのに、向き合えばいいの?」
「辛いんだ、苦しいんだ・・・・・・痛いんだ」
「ダメだって分かってるのに、忘れたいのに・・・・」



一気に捲くし立てた。はやてにさえ口にしなかった事まで
全部話していた。


「そう、言われたの?」
「えっ?」


静かに問いかけられた。


「もうだめだって、その人に言われたの?」
「言われて、ないけど」
「だったら、どうしてダメだって決め付ける?」
「・・・・だって、子供が・・・・」
「本当にその人の子供なの?」
「えっ?」
「養子かも知れないじゃない」
「そんな事」
「ないって言い切れるの?」
「それは・・・・」
「ふっ、結局あなたも何もわからないじゃない」
「だけど・・・・」
「本当に諦めるのは、その人の口から真実を
聞いてからでも遅くないんだよ。」
「しん、じつ?」
「そう、真実。知ってる?事実と真実は違うんだよ」
「ちゃんとその人の口から、あなたとはもうだめだ、
諦めろって言われたら、そしたらその時は」


その子の事忘れるくらい抱いてあげる。
そう言ってニヤリと笑われた。


なんだか、その顔が凄く綺麗で、私よりも遥かに
大人のマスターなのが悔しくて。


「・・・・・私はちょっとやそっとじゃ、落ちないよ」


そう目一杯の虚勢を張った。



「ぷっ、ははははははは」

大笑いされて、額にキスされたけど、嫌な気分じゃなかった。


「向き合ったら、痛いのはなくなるのかな」
「さあね、けど少なくとも、前には進める。」
「それでも辛かったら?」
「そしたら、私が全力であなたを抱きしめてあげる」


そう言って静かに目を閉じた。
それを見て私も目を閉じる。
マスターの手はずっと私の手を握っていてくれた。









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テーマ:魔法少女リリカルなのはStrikerS - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 1+1 は 3
  2. | comment:1
<<お返事ですよ~ | top | 1+1 は 3>>


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  1. 2011/05/15(Sun) 23:06:33 |
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