好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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続・もしものお話 :: 2011/06/25(Sat)

今回は私にしては珍しくなのはさんが王子様っぽいかな。
以前の「もしもの~」の続きです。


続きからどうぞ







■   □   ■   □   ■   □


夢を見ていた。




フェイトと話したもしもの話。だけど可能性は
随分と高い、もしもの話。



『もしもね、なのは』
『ん?』
『私が敵に捕まったら、なのは・・・・どうする?』
『・・・・・・どうして今、そんな話をするの?』


なのはの言う今・・・・
機動六課が試験運用される予定の日までちょうど
あと1ヶ月と言う今日。
どうしてそんな時にそんなもしもの話をするのか。
なのはは不安そうな顔でフェイトを見つめた。
けれど、フェイトは、ああ、ごめん。と笑ってなのはの
頬を両手で包みこみ、こつんと額を合わせながら不安に
揺れている瞳を覗き込んで大丈夫だよと囁いた。


『ごめん、なのは。そんな不安そうな顔はしないで』
『だって、フェイトちゃんが・・・』
『ごめん、あのね。これは今、初めて考えたったって事では
ないんだよ。ずっとね・・・この仕事を始めてから、ずっと
考えてた。』


なのはは初めて聞かされたフェイトの思いを知る。


『私だけじゃなくて、なのはもはやても。いつだって
危険と隣り合わせの仕事をしてるでしょ?』
『そうだね・・・・』
『だから、敵に襲われるとか、連れ去られる可能性だって
あると思うんだ。』


実際何度も怪我してるしね・・・・って笑ってみせる。
ちょっとだけそれに怒ったような顔をしたら、また
フェイトちゃんはふにゃりと眉尻を下げて笑った。


『はやての部隊が動き始めれば、いずれ私がずっと
追い続けていた人物にたどり着く事になるかもしれない。
多分今までのどんな犯人よりも厄介で・・・・そして
私に深く関係してくる。だからね、もし『フェイトちゃん』』


なのははフェイトの言葉を遮って大好きなその名を呼ぶ。



『私ね、痛いのは嫌い・・・・』


フェイトの話とはかみ合わない言葉。


『それから、辛いのも嫌い』
『うん・・・・』


けれどもフェイトはただその言葉に耳を傾ける。


『苦しいのも、寂しいのも・・・・嫌い。』
『なのは』
『でもね・・・・』


なのはには、どんな事をしても譲れない想いがある。
誰に、何と言われても揺らぐ事のない大切な想い・・・人。
フェイトの赤い瞳を正面から見つめて、なのはは言葉を続ける。


『そんな事全部、どうでも良くなっちゃうくらい
フェイトちゃんの事が好き。愛してる。』
『・・・・・』
『取り戻すよ、何があったって。どんな事をしたって』
『なのは』
『考えたくはないけれど、もしフェイトちゃんが私を・・・・
忘れてても、それがフェイトちゃんの本当の意思じゃないのなら
私を止める手段にはならない。障害じゃない。』


フェイトを見つめてなのはが笑う。


『どんな事をしても、どこにいても私はフェイトちゃんを
取り戻す。絶対に・・・・』
『・・・・・なのは・・・・ありがとう』



だからね、と今度は軽く冗談でも言うようになのはは口にする。


『私がそうなったら、フェイトちゃんが助けてね』
『もちろん、それこそ絶対に助け出すよ。』


そう言って笑いあった。


















目が覚めた。と言うより意識が浮上したと言う感じか。
なのはがゆっくりと頭を動かして、今いる場所を確認する。
意外な程頭はすっきりしていた。そして、全部はっきりと
思い出せる。

つ、とこぼれ落ちそうになる雫を慌てて両腕で目を
覆うようにして隠す。その僅かな衣擦れの音に気がついて
シャマルが振り向いた。


「なのはちゃん・・・・・」
「シャマル・・・先生」
「ごめ「ありがとうございました」えっ?」



謝罪の言葉を言おうとするのを遮り、逆にお礼の言葉を口にする。


「私を止めてくれて、ありがとうございました」
「なのはちゃん」
「まだまだダメですね。もっと冷静にならないといけないのに」
「・・・仕方ないじゃない。」
「・・・・ヴィヴィオは?」
「今は検査中。何日か入院してもらう事になると思うけど
大丈夫よ」
「そうですか、ありがとうございます」
「あの・・・ヴィヴィオはフェイトちゃんの事は・・・」
「まだ話してないわ。あの時はずっと気を失ってたから」
「・・・・そう、ですか」
「多分、すぐに動く事になるだろうからってはやてちゃんから
言われてるの。でも、なのはちゃん・・・・」
「私なら、大丈夫です。まだ動けます。それにフェイトちゃんを
助け出すのは私の役目です。これだけは誰にも譲れません」


ちから強く拳を握るなのはに、シャマルはくすりと笑い、
そうね、とだけ呟いた。


「でも、今日はこのままここにいてもらうわよ。少しでも
魔力の回復と身体のダメージを和らげておきたいから」
「わかりました。お願いします」


そう言って再びなのはは目を閉じる。
夢の中のフェイトは笑っていた。
こんなに早くその状況になるなんて思いもしなかったけど
あの時の自分の気持ちに微塵も嘘はない。出来ないなんて
思わない。絶対にこの手に取り戻す。それはもうなのはの中では
どんな命令よりも強い誓い。


(少しだけ待っててフェイトちゃん。必ず迎えに行くから。)
















今は何日の何時なのだろうか。
私がここに連れられてきてからどれ位経った?
なのは・・・・・。


すでにフェイトの魔力、体力は限界に近かった。
六課との通信の際にスカリエッティにつけられた傷は
あの後すぐに治療されていた。
けれど依然として続けられている何か分らない行為に
日に日に意識が混濁していく。


フェイトは気がついていた。自分が意識を完全に絶ってしまえば
次に目覚めたときは、時空管理局本局執務官のフェイト・T・H
ではなくなっているだろうと言う事に。



「もしも・・・・」


ポツリと呟いた
あの時なのはと話した事がまさか本当に自身の身に
降りかかってくるなんて。あの時のあの言葉は
フェイトが執務官として前線に出るようになってから
よく考えるようになっていた。

本当はあの時、「どうする?」ではなく「殺して」と
言おうとしたのだった。
フェイトは自分が研究者にとってどれ程貴重な資料に
なり得るのか身をもって知っていた。
執務官として捜査に携わっていれば、犯罪者の中には
「プロジェクト・フェイト」に係わった人間と接触する事だってある。。
「プロジェクト・フェイト」の最初の成功例であるフェイトを
まるで実験動物でも見るような好奇の目を幾つも見てきた。


だから、もし自分がそう言う研究者の犯罪集団に捕まれば
自分の意思はおろか、人としての尊厳すら与えられない
だろうと確信していた。
もし、そうしてなのはを傷つける事にでもなったりしたら。
フェイトはそれが何よりも怖かった。自分が自分で
なくなってしまうと言う事よりも、自分がなのはを
傷つけてしまうかも知れないことの方が何十倍も怖かったのだ。


自分が存在する事で、なのはの住むこの世界が
壊されていくのなら、自分がいなくなる事で、この世界が
守れるのならば。


「お願いだから、私を殺して」


あの頃の私は躊躇うことなくこの言葉を口にしただろう。



けれど、と考える。


エリオやキャロの保護責任者となり、ヴィヴィオの後見人になり
そして、なのはという最愛の人を手に入れた。
大切なモノ 、守りたいものが沢山増えた。
そして、気がついた。


私はなのはがいなければ幸せになんかなれない。
この世界がどれ程混沌とした世界になったとしても
なのはがいてくれればそれだけで幸せなんだと
気がついた。それはきっとなのはも同じ。

私はなのはに愛されている。自惚れや気のせいなんかじゃ
なくて、これは確信。私にとってのなのは(愛しい人)は
なのはにとっての私。ならば私がいなくなれば、なのはは
幸せにはなれない。

平和な世界が幸せなんじゃなくて、そこがどんな世界で
あったとしても、私がいるから幸せなんだと、今は
ちゃんとわかっている。

だから、なのは。私は怖くはないよ。もしかしたら、なのはに
沢山辛い思いをさせるかも知れない。痛い思いをさせる
かもしれない。けれども私はなのはを信じている。
だから、なのはも私を信じて。きっとなのはの所に帰るから。








「ぐっ・・・ぁ」

再び電流が流された。もう悲鳴をあげる気力すら残っていない。
意識を保っているのももう限界だった。
次に目が覚めた時、ここにいるのは誰なんだろう・・・・・・。


なのはーーーーー。


薄れいく意識の中でただ一度だけなのはの名を呼んだ。
そして、フェイトの意識は闇に飲まれて行った・・・・・。














それから二日後。スカリエッティのアジトが判明した。
現場へと急行したなのは達を待っていたのは、戦闘機人の
トーレ及びセッテ。それから多くのガジェットと機械兵器。


そして、アジトの入り口に立ち蓋がるようにして立っていたのは






「フェイトちゃん・・・・・・」




なのはが愛して止まない、フェイト・T・ハラオウン、その人だった。



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テーマ:魔法少女リリカルなのはStrikerS - ジャンル:アニメ・コミック

  1. リリカル 短編
  2. | comment:0
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