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好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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神様の贈り物? :: 2011/07/03(Sun)

無駄に長くなっただけのような気も
しないでもない(-_-;)・・・・。








■   □   ■   □   ■   □



「もうお終いなんだ。私の事なんて放っておいて!!」
「テスタロッサ、落ち着くんだ。ちゃんと話を聞け」
「うるさいって言ってるんだ。シグナムだって本当は
喜んでる癖に」
「何?!貴様、本気で言ってるのか?」
「本気だったら何?殴る?」
「貴様・・・・」
「失礼します。何を騒いでいるんですか?廊下まで
響いていますよ?」


私達の怒鳴り声が響くと少し語気を強めて話すこの女性は
私の担当の看護士だと言っていた。確か名前は・・・・


「すみません、高町さん。」


そうだ、高町なのは。最初に会った時そう自己紹介
して行ったんだった。


「何があったんですか?ハラオウンさん。わざわざ
お見舞いに来てくれたんでしょう?」
「お見舞い?違うよ。怪我した私を笑いに来たんだ。
これで自分に代表入りのチャンスが回ってくるから」
「テスタロッサ、まだそんな事を言ってるのか!私が
そんな事を喜んでいるとでも思っているのか?」
「思ってるよ。本当の事じゃないか。せいぜい頑張ってよ」
「貴様!!」
「はい、そこまでです。面会時間も終わりますし、これから
術後の検査もありますから、この辺にしておいてくださいね」


シグナムが私の言葉に怒って右手を振り上げたのを
いいタイミングで遮ってくれて、面会時間の終わりを告げる。
シグナムはそれでもまだ何か言いたげだったけど、
小さくすみませんでしたと謝って病室を出て行った。


「何で止めたのさ。しかも検査だなんて嘘までついて」
「あのまま殴られたかったんですか?」
「別に。」
「どうしてそう、自棄になっているんですか?」
「キミにはわからないよ。私の気持ちなんて。代表になる為に
私がどれだけ頑張ってきたのか、なんて」
「そうですね。私はプロの選手ではないですから、今の
あなたの気持ちはわかりません。きちんとリハビリをすれば
元通り、走れるようにも飛べるようにもなるのに、目先の
事しか見えていないあなたの気持ちは全く理解出来ないです。」
「目先の事、なんて簡単に言わないで。ここに来るまで
どれだけ苦しい思いをしたのか、知りもしないで・・・・」
「あなたがとても頑張っていたのはわかりますよ」
「・・・そんな気休めはいい」
「気休めではありません。あなたの体を見ていれば
わかります。どれだけ努力して、その体を酷使してきたのかも」
「・・・・・・」
「聞きましたよ。こんな事になる前から、足に異常を感じていた事。
だけどあなたは、それに気がつかない振りをして無茶をした。
その結果が今回の骨折に繋がってるんですよ。こう言っては
あなたは怒るかも知れませんが、自業自得です。」
「なっ!・・・そこまでキミに言われる筋合いは、ないよ」



そんな事、看護士のキミに言われるまでもなく、わかってるんだ。
だけど、せっかく代表に選ばれたのに代表チーム入り直前に
こんなケガをして。やり場のない怒りを他人に当り散らしている
最低の人間だ。私は・・・・。



「神様が・・・・」
「えっ?」


私が自己嫌悪に陥っていると、ポツリと彼女、高町さんが
何か呟いていた。


「いえ、きっと今回のケガは神様がくれたプレゼントなんですよ」
「はぁ?」
「気がついてましたか?あなたの足。随分疲労が溜まって
いるんです。今回骨折していなくてもいずれ些細な衝撃で
骨折していたでしょう。もしかしたら大事な試合中にそう
なっていたかも知れないんです。」
「そんな・・・」
「だから、きっと今ならまだ間に合うんですよ。だって神様が
くれたチャンスなんですから。ちゃんと体を休めてからでも
きっとまた」
「・・・・・・ねぇ、キミ幾つ?」
「・・・・・21ですけど」
「その年になって、神様って・・・・・・・随分・・・・ふっ」
「なっ、年は関係ないじゃないですかっ。おかしいですか?
21にもなって神様を信じてちゃ」
「ぷっ・・・・・・あ、は、・・・あははははははははは」


さっきまで、まるで私を子ども扱いしたような顔をしながら
お説教していたのに、今の彼女の真っ赤な顔。
堪え切れれなくなって、つい大笑いしちゃったけど。
神様がくれたプレゼントか。なるほどね、それじゃあ
今ここで不貞腐れているわけにはいかないかな・・・・。


「あーーー、お腹が痛い」
「笑いすぎです。失礼な」
「ごめんごめん。だけど、ありがとう。」
「えっ?」
「そうだね、折角神様がくれた休息の時間なんだ。今は
ちゃんと体を治すことに専念するよ。」
「はい!私も精一杯サポートしますから」
「うん、ありがとう。」


なんだか、すっきりしたな。今度シグナムにちゃんと
謝ろう・・・・。












目の前で子供のように大笑いしているこの人は、本当に
巷で有名な人なんだろうか。いや、そもそも私は彼女の
有名振りは全く知らないから、同僚が言っていた事を
信じるしかないのだけど、同僚が言っていたような
「クールさ」は全く見当たらないと思うんだけど・・・・。


だってね、私の一言で、涙を流して大笑いしてるんだよ。
ちょっと失礼しちゃうと思わない?
いいじゃない。神様の事信じてたって。
この仕事してると、神様に縋りたくなる時だってあるんだよ・・・。

なんて考えていたら、やっと笑いが収まった感じのこの人が
私にお礼を言った。


あら、なんだ。こんな表情もするのね。一頻り笑って、
私の言った事も理解してくれて、それで気持ちが
すっきりしたって顔してる。きっとこっちの顔のほうが
本来の彼女の姿なのかな。


なんだか、笑顔が素敵よね・・・・・・って私ってば
何考えちゃってるのかな。


「ねぇ」
「はい?」
「キミの名前、聞いてもいいかな?」
「私ですか?構いませんけど・・・・高町なのはって言います」
「そっか。私はフェイト・テスタロッサ・ハラオウン」
「はい、知ってますよ?」
「あのさ・・・その・・・・」
「はい?」
「なのは・・・・・って呼んでもいいかな」
「えっ?」
「あっ、いや、その、この病室の中にいるときだけでいいから。
それと出来れば私の事も名前で呼んで欲しい・・・かな」


何を言い出すのかと思えば、そんな事。
本当は、患者さんとあまり親しくなりすぎるのも
よくないんだけど、それでこの人がリハビリを
頑張ってくれるのなら、それでもいいかな。
それにここは個室だし、まぁいいよね。


「この部屋にいる時だけですよ。それとちゃんと
リハビリ、頑張ってくれますか?」
「うん、それでいい。もちろん、リハビリだって頑張るよ」
「はい、なら構いませんよ」
「良かった・・・・・・・なのは」
「ーーーーーーーっ!!/////」


な、何。ただ名前を呼ばれただけなのに。
自分の名前をこんなに愛おしそうに呼ばれたのって
初めてで、しかも目の前の彼女の笑顔が本当に
嬉しそうで。何だろ、物凄く暖かい気持ちになる。
私、この人に名前で呼ばれるの。凄く嬉しいって
思ってる。どうして?会ってまだ数日しか経ってないのに。
私のこのドキドキってなんなんだろう・・・・・・。










「なのは」


そう、彼女の名前を口にしたら、何だか暖かい気持ちになった。
まだ会って数日なのに、彼女の言葉は私に安心をくれる。
看護士さんなんだから、それが仕事なんだろうけどね。


少しの沈黙の後


「フェイトさん?」


なんだか遠慮がちに私の名前を呼ぶ彼女。
うん、やっぱり嬉しい・・・・んだけど。もうちょっと・・・・。


「ねぇ、なのは。敬語もやめようか。」
「えぇっ。だって年上の人に・・・・」
「でも、さっきは随分と私を子ども扱いしてたみたいだけど」


ってちょっとだけ皮肉を込めていってみると何だか
ううう、って物凄く考え込んでしまった。私が何も言わないで
ずっとなのはが呼んでくれるのを待っていたら、
やっと覚悟を決めたのか、私の方を見つめて


「ふぇ、フェイト、ちゃん?」


ってまたも遠慮がちに、しかも真っ赤になりながら
私の名前を呼んでくれた。はは、何この可愛い生き物。
耳まで真っ赤にしちゃって。ちょっと面白いかも。


「うん、ありがとうなのは。退院するまでよろしくね」
「こちらこそ、頑張ろうね。フェイトちゃん」



こうして、私はケガにちゃんと向き合って、そして再び
代表の椅子を勝ち取るためにリハビリに向かう決心をした。










「ほんでな、フェイトちゃん」
「何、はやて」


今日はチームのマネージャーのはやてが報告に
やってきた。私の代わりに代表入りする選手が
決まったらしい。


「フェイトちゃんの代わりの代表選手何やけど・・・」
「うん。はやて、そんなに気を使わなくてもいいよ。
私なら大丈夫だから。今がダメでも、きっとまた代表入り
して見せるから・・・・」
「・・・何や、フェイトちゃん。ホンマやったんやね」
「何が?」
「イヤ、シグナム達が言うてたんやけど、フェイトちゃんが
丸くなったて」
「そんな、今までずっととがってたみたいな言い方、しなくても」
「イヤイヤ、怪我してからこっち、随分ととがっとったよ?」
「そう、だったかな・・・・」
「あれか?白衣の天使様のお陰なん」
「なっ!!」


ニヤニヤと嫌な笑い方をしながらはやてが言う。
自分じゃそんなに尖っていた自覚はないけれど
はやてが言うのならきっとそうだったんだろう。
代表入りが私の夢だったから。選ばれて天にも昇る
気持ちだったのに、このケガで一瞬にしてそれが
消えてしまったんだから・・・・。
きっと、なのはがいなかったら、今でも私は尖ったまま
だったに違いない。
そんな事を考えていたら


「こんにちは、フェイトちゃん。気分は、ど・・・・・う。
って、いや、あの・・・・検温です。ハラオウンさん」
「「・・・・ぷっ、あっはははははははははは」」
「ふぇ?な、何でぇ?」
「あぁ、ごめん、なのは。大丈夫だよ。いつも通りで。こっちは
チームのマネージャーの八神はやて。私の幼馴染でも
あるんだ」


いつもの様に病室に入ってきて、目の前にいたはやてに
驚いて、急に畏まって私を呼ぶもんだから、思わず噴出して
しまった。だけど何ではやてまで笑ってるのさ。


「こんにちは、なのはちゃん・・・私もそう呼んでもええよね?」
「あっ、はい。どうぞ」
「ほんなら私の事も名前で呼んだってな」


って言われて、ちょっと困った顔をして私を見るから
私は不本意ながらいいんだよと口を開く。


「何や、不満なんか?フェイトちゃん」
「なのはを名前で呼んでいいのは、本当は私だけなんだよ?」
「ええやん、減るもんやあるまいし」
「減らなくても、なんか・・・・イヤだ」
「全く、でっかい図体した子供やね。そんなになのはちゃん
独り占めしたいんか?」


なんてニヤッと口端を歪めてこっちを見る。
チラッとなのはを見ると私達の会話に気がつかない振りをして
作業してるけど、チラチラ見える耳が真っ赤になってた。


「あたり前じゃないか、ここにいる間しかなのはを独占
出来ないんだから」


そう思っていることを口にしたらなのはがなんだか
ハッとして一瞬動きが止まった。
あれっ?どうしたのかな。


「なのは?」
「えっ、あ、ごめんね。何でもないの・・・・それじゃあ。
私、戻るから。また後でね」
「うん、分かった・・・・」
「じゃあ、えっとはやてちゃんはごゆっくり」
「ありがとう。なのはちゃん」


はやてに声をかけて病室を出て行くなのはは、来た時とは
打って変わって、なんだかとても考え込んでいるみたいだった。








「あたり前じゃないか、ここにいる間しかなのはを独占
出来ないんだから」


そうフェイトちゃんが言うのを聞いて私はハッとした。
そうだ、こんな幸せな時間もあと少しだけなんだ。


フェイトのリハビリは順調だった。気持ちを入れ替えて
取り組んでいるからか、あるいは元々体力もあったからなのか。
いずれにしても間もなく退院だろうと思っていた。
分かっていて考えないようにしていたのだが、フェイトは
そうではないらしく、さらりとここにいる間だけだと言い切った。


そう、だよね。フェイトちゃんはケガをしてここにいるだけ。
治ったら退院してまた皆の人気者のフェイトちゃんに
戻るんだ。私、の事、なんて・・・・きっと忘れて・・・。


そんな事を考えていたら、知らず知らずのウチに涙が
零れてきた。慌ててそれを拭う。こんな所他の患者さんや
同僚に見られたら大変だ。涙を拭いて、顔を上げる。

こんなんじゃダメだ。約束したんだもん。最後までちゃんと
サポートするって。だから最後まで笑ってフェイトちゃんと
会わなくちゃいけないんだ。そして退院する日には
飛びきりいい笑顔で送り出してあげよう。それが私に出来る
たった一つの事だから・・・・・。






その翌日、フェイトの退院の日が1週間後だと決まった。

















「ハラオウンさん、退院おめでとうございます」


病棟の代表の人からそう言って花束を貰った。


「ありがとうございます」
「もう、ここには来ちゃだめですよ」
「あはははは、はい、今度はちゃんと身体を労わりますから」
「是非そうして下さい。」


会話をしている間になのはを探したけれど、どうやら
他の患者さんの所へ行ってるみたいで姿が見えなかった。
なのはにもちゃんと話をしておきたかったんだけど、
ここ数日は、なんだかなのはに避けられていたみたいで
ゆっくり時間が取れなかったし・・・・。
なんとなく避けられている理由に心当たりがあって
本当は早く言ってあげたかったんだけど、どうしても患者と
看護士の間柄のまま先には進みたくなかったんだ。


まぁ、いっか、とりあえずは・・・・・。


「それじゃあ、皆さん。お世話になりました」


そう言って頭を下げて、病院を後にする。
私はそのまま迎えに来てくれていたはやてに
入院中の荷物を預けて、行ってくるねと告げた。


「ちゃんと捕まえてこんと張り倒す」

そう言ってはやては笑って送り出してくれた。
当然。何が何でも離す気はないんだよ。私はね。
軽く手を上げて私は来た道を戻る。
向かう先はなのはのいる病棟。





「あら?ハラオウンさん忘れ物?」
「はい、大事な事を言い忘れてまして」
「何かしら?」
「えっと、高町さんはいますか?」
「ああ、彼女ね。ちょっと待っててくれる?」


そう言ってパタパタと奥の部屋へとなのはを呼びに
行ってくれた。

暫く待って現れたなのはは、なんだか困ったような
そんな表情で・・・・・。ああ、ごめんなのは。
でもね、そんな顔しなくていいよ。



「なのは」

いつもの様にそう呼びかけると、嬉しそうでだけど悲しそうな
そんな目をしてこちらを見つめてくる。


「私、今日退院したよ」
「うん、おめでとう」
「だからね、なのは」
「ん?」
「もう患者さんじゃないから、いいよね」
「・・・・何、が?」
「なのは、あのね。キミに私専属の看護士さんになって
貰いたいんだ」
「・・・・・・・えっ?」
「ここに入院している時は私も大勢いるウチの1人だったら
あの病室でだけしかなのはを独り占めできなかったんだ。
だけど、今はもう違うよ。私は患者じゃない。」
「ふぇいと、ちゃん?」
「なのは、ずっと私の傍にいて、私が無茶しないように
見ていて欲しいんだ。あのね、なのは、」


キミが好きだよ。そう言ってなのはを見つめていたら
小さな声で、私も。とそう言ってくれた。
私はギュッとなのはを抱きしめて、ありがとうって
言ったんだ。

そんな私たちを見ていた他の看護士さんや患者さんが
周りで騒いでいたけれど、全然気にならなかった。




神様がくれたプレゼントはね、本当はなのは・・・
キミだったんだと思うんだ。









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テーマ:魔法少女リリカルなのはStrikerS - ジャンル:アニメ・コミック

  1. リリカル パラレル
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