好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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そこから始まる物語 :: 2011/07/05(Tue)

時期を全く無視した文章です(笑)。
なんだか突然浮んだものなので、時期なんて
気にせず投下します。


それでは、続きからどうぞ・・・





■   □   ■   □   ■   □



side fate


「はぁ・・・・」
「何や、辛気臭い顔して。今日は目出たい日なんよ?」


私が盛大な溜息をついたのを、見計らうようにして声を
掛けてきたこのクラスメートの名は、八神はやて。
1学年に8クラスもある近年では珍しい生徒数のこの学園に
於いて、悲しいかな、3年間同じクラスと言う腐れ縁の親友。
いや、既に悪友と呼んでもいいのかもしれない。
その悪友にチラリと僅かに視線を向けて、再び


「はぁ~」


と机に突っ伏して溜息をつく。


「何やねん。うっとおしいなぁ。そんなにイヤやったら
さっさと声掛けとったらよかったやん」
「うっ・・・・それが出来れば苦労はしないんだよ」


今日と言う日を向かえる前にさっさと行動しておけば、と
目の前の悪友は言うけれど、それが出来れば今こんな
所で盛大な溜息なんて付いていない。


「しっかし、ウチのガッコの王子様をこんだけ骨抜きに
出来るあの子はたいしたもんやね」


くくくくと口端を上げて厭らしい笑いをするこの親友に
今日と言う日は、文句を言うのも煩わしい。
王子様って、勝手に周りが盛り上がってるだけじゃないか。


「ねぇ、はやて・・・やっぱり卒業しなきゃだめかなぁ・・・」
「はぁ?。何阿呆な事口走っとんの?。元生徒会長の
言う台詞やないな」
「そんな事・・・わかってるよ!わかって、はいるんだけど・・・・」


なんで2年も早く生まれてきたのかなぁ。なんて今更どうにも
ならない事をさっきから愚痴っている私はフェイト・テスタロッサ・
ハラオウン。今日この学校を卒業する3年生だ。



私がこんなにもこの学園を卒業したくないのには、れっきとした
理由がある。とてもとても重大な理由。私の人生を左右する事に
なりかねない、それほどに重大な理由なのだが、はやてに
言うと「アホか」の一言ですまされてしまうから、ずっとひた隠しに
していた。けれど、ひと月ほど前、私がいつもの様に教室の
窓からある場所を眺めていたら、急に後ろから声をかけられた。







「ほぅ、あん子がフェイトちゃんを骨抜きにした子なん?」
「なっ!ちょっ・・・・えっ?・・・・・・ぅわっ!!」
「わぉっ!!ちょお、そんな大声だしたらびっくりするやん。」
「あぁ、ごめん・・・・・って、いやそうじゃなくてっ!!」
「あはははは、ノリ突っ込み、上手なったやん」
「はやて!!」
「あはははは、すまんすまん。こんなにびっくりするとは
思っとらんかったんよ」


堪忍堪忍、なんていつもの本気とも冗談ともとれる謝り方を
してくる。それにちょっとイラッとしてはやてを睨む。


「堪忍て。そんなに睨まんで」
「もう、勘弁してよ・・・・・・。」
「で、あの子なん?」
「何が?」
「ほぅ、私を欺けるとでも?」
「・・・・・・・・・ムリだろうね」


はぁと溜息を付きつつ、私は両手を上げて降参した。


「あの子、1年生やね。」
「うん」
「名前は」
「高町なのは」
「へぇ、で?」
「で?って何が」
「こ・く・は・く。せぇへんの?」
「・・・・・・・」
「フェイトちゃん?」
「・・・・・ムリ、だよ」
「何で?」
「何でって・・・・。女の子だよ?彼女」
「それが?」
「・・・・普通じゃ・・・・ないよ」


言ってて何だか悲しくなってきて、段々と声も小さくなっていく。
あまりにも当たり前の事をわざわざ確認するように口に出して
それで結局また落ち込んで。私は馬鹿だなって自嘲気味に
笑うしかなかった。けれど、目の前のはやては、違った。


「なぁ、フェイトちゃん。」
「なに」
「フェイトちゃんがそれを言うか?」
「どういう意味?」
「せやかて、いっつもフェイトちゃんの周りにおる子ら皆
女の子やん。それに、何回も告白されたやろ?フェイトちゃんは
そんな子ら、気持ち悪いとか、思っとったん?」
「そんなっ、気持ち悪いなんて思った事一度もないよ。」
「やったら、相手が女の子やって関係ないんとちゃうの?」


相手が同性であっても関係ない。意図も簡単に世間の常識を
ばっさりと切り捨てたこの親友をこの時は思わず尊敬して
しまった。だけど、そうは言ってもやはり簡単にはいかなくて。


「彼女の周りにはさ、沢山の人が集まるんだ。特に何を
しているって訳でもないのに、自然に。物凄く人気者なんだよ」
「へぇ、良い子なんやろね。」
「そう、そんな彼女に私が近づいてもいいのかなとか思ったりして
結局、今の今までこうやって遠くから見てるだけしか出来ないんだ」
「阿呆やね。そんなん気にする事ないと思うけどな。人が人を
好きになるのなんて理屈やないんやから。」
「そうかも、しれないけど・・・・」







あの時は、結局あやふやなまま、その話は、別のクラスメートが
教室に入ってきた事で中断されたのだった。けれど、結局
私はこの想いを彼女に伝える事のないまま、今日の卒業を
迎えることになったと言うわけだ。


「はぁ~・・・・・・」


いっそ、宇宙人でもやってきて、学校を壊してくれないかな
なんてそんな妄想まで考える始末。ホント情けない・・・・・。




「だめだ。ちょっと気分転換でもしてこよう」




式が始まるまで、あと30分。
私は気持ちを静めるために少しだけ教室を抜け出して
いつもの私のお気に入りの場所へと急ぐ。
その場所は、あの子と初めて会った場所。
初めて言葉を交わした場所。
もうキミは覚えていないだろうけど。
私にとってはかけがえのない場所なんだ。










side nanoha


「いい加減、泣き止みなさいよ」
「ぅっ・・・ぐすっ・・・・だって・・・だって」
「ああ、もう。卒業式始まる前からこんなんじゃ、実際に
始まったら、この子倒れるんじゃないでしょうね」
「ぅぅぅう、・・・・ひっく、ぅっく・・・・ふぇ~ん」
「ちょっ、なのは。あんたねぇ」
「仕方ないよ、アリサちゃん」
「すずか・・・・」


今日は、学校へは来たくなんてなかった。あの人がこの学園から
いなくなってしまうのを見届けるなんて、私はそんなに強くない。
どうしてもっと早く生まれてこなかったんだろう。あと2年、早く
生まれていたら、せめて友達としてずっと傍にいれたかも
しれないのに。

だけど、今の私はあなたからは遠すぎて、とても近づく事なんて
出来なくて・・・・・。どんなにあなたを想っても私の事なんて
きっと覚えてはいないんだろうな・・・・・。



彼女は元生徒会長。長く金糸のような金髪を腰の辺りでふわりと
まとめ、凛とした立ち姿は毅然としていて、前を見つめる
彼女の赤い瞳はとても情熱的で、一度見つめられたらきっと
誰もが恋に落ちてしまうんじゃないかとさえ思ってしまう。


彼女の周りにはいつも沢山の人が集まっていた。
中には、真剣にお付き合いして欲しいと男女問わず
告白される事も多いと聞いた。けれど、彼女には意中の誰かが
いるらしく、告白されても、その想いは届く事はないとも
言われていた。


誰かが告白して、そして断られて。そんな話を聞くたびに
一喜一憂していて。だけど、卒業してしまえばもう二度と
あの人には会えない。この気持ちは結局行き場もなく、
だからと言って諦めてしまう事も出来ず。
どうしようもない感情がグルグルとなのはの胸のうちに
渦巻いていた。



「なのはちゃん。」
「・・・・なに、すずかちゃん」


やっと落ち着いてきた頃を見計らってすずかちゃんが
話しかけてきた。


「あの人に、なのはちゃんの気持ち伝えないの?」
「ーーーーっ!・・・・・・ムリ、だよ」
「どうして?」
「だって、好きな人がいるって・・・・」
「だけど、直接聞いた訳じゃないんだよね?」
「そうだけど・・・・」
「いつまでも、そんな辛気臭い顔してるより、ちゃんと彼女と
向き合って、気持ち全部ぶちまけちゃえばいいじゃない。」
「アリサちゃん・・・・でも・・・」
「でもも、だけどももなし!。今日を逃せばもう会えないかも
知れないんだし、だったらダメで元々。当たって砕けちゃいなさい」
「・・・・・・アリサちゃん、酷い・・・」
「骨はちゃんと拾ってあげるわよ」


って、もう他人事だと思って・・・・・。
だけど、アリサちゃんやすずかちゃんの言う通りかな。
何もしないままだったら諦めきれないけど、はっきりと
口に出してもらえたら、いつか私のこの気持ちも良い思い出に
なるかも知れないし・・・・・。


チラリと時計を見る。在校生は3年生よりも少しだけ早く
講堂に集まる事になるから時間はあまりないけれど、
だけど、後一押し、背中を押してもらいたかった。


「アリサちゃん、すずかちゃん。ちょっとだけ出てくるね」
「えっ?、だけどもうすぐ講堂に行く時間よ?」
「わかってる。だけど、どうしても行っておきたい所があるの」
「うん、いいよ。こっちは大丈夫。いってらっしゃい、なのはちゃん」
「ありがとう、すずかちゃん。いって来るね、アリサちゃん」


お礼を言いながら既に私は走り出していた。
向かう場所は私のお気に入りの場所。
あなたと始めて会った場所。初めて言葉を交わして
名前を教えてもらった場所






『どうしたの?迷子?』
『あの・・・えっと・・・・』
『大丈夫だよ。私はフェイト。フェイト・テスタロッサ・ハラオウン』


3年生なんだ。キミの名前は?


『あの、高町なのは・・・です。その入学式に・・・・』
『ああ、場所、わからなくなったんだね。この辺入り組んでるから』
『えっと、すみません』
『謝らなくていいよ。じゃあ、一緒に行こうか。私も同じ所に
行くトコだったから』


そう言ってあなたは私の手を引いてくれた。
あの後あなたがこの学園の生徒会長だと知ったんだ。





全力で学内を走りぬけた。幸い誰とも会わなかったから
廊下を走っても誰にも咎められなかった。その場所近くで
足を止め、呼吸を整える。今度はゆっくり、地面を踏みしめる
ようにその場所まで歩く。あそこで勇気を貰おう。そして
彼女に伝えよう。私の正直な気持ちを。



























なのははまだ知らない。
同じ想いを秘めた赤い瞳の持ち主が、なのはよりもホンの少し
早く、2人の思い出の場所に立っている事を。


ここから始まるのは、一体何なのか。
それは、フェイトとなのは。2人だけしか知らない物語。





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テーマ:魔法少女リリカルなのは - ジャンル:アニメ・コミック

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