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好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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嫌い・・・・だけど、 :: 2011/07/12(Tue)

後編です。最後です。







■  □  ■  □  ■  □



「どうして・・・」





あんなに冷たく言い放った彼女がなぜこんなに、
辛そうに涙を流すのか。なのははどうしても
その理由がしりたくて、このままフェイトに
ついていく事にした。
あの後学校からも逃げ出して、なのは自身はフェイトの
その後の行動を知らない。
だから、あの涙の意味をどうしてもなのはは知りたかった。


なのはのいなかった午後の授業は、意外にもフェイトが
適当な理由を付けて先生に話してくれていた。
そして、放課後。なのはのカバンを持っていこうとする
アリサにフェイトは自分が届けるからとそれを断っていた。


「どうして、私の事なんて・・・気持ち悪いって
言ってたのに」


なのはは自分のカバンを大事そうに抱えるフェイトの
姿を追ってずっと屋上での事を考えていた。
フェイトはそのままなのはの家に向かうのではなく
公園へと向かっていた。迷う事のないその足取りに
闇雲にドコかへ向かっているのではなく、ちゃんと
目的の場所に向かっているのだろうと推測された。
やがてついた場所は海が見渡せる小高い丘。そこから
眺める風景は空と海が一つになって見えるような
蒼一色の場所だった。


「凄い。こんな場所があったんだ・・・・」


なのはがぼんやりと見とれていると、近くにあった
ベンチに腰掛けたフェイトが、


「・・・・・なのは・・・・」


空を見つめながらなのはの名前を呼んだ。
一瞬自分の事が見えていて話しかけているのかと
思って、そんなはずはないと思い直す。


「なのは・・・・・」


とても優しい声音で、そしてとても大切な者を呼ぶ
かのようなその響きになのはは戸惑った。


「どうして、そんな風に私を呼ぶの?私の事
気持ち悪いって・・・・」

自分で口にするとまたズキリと胸が痛む。
けれど、フェイトを見た瞬間に違った意味でまた
胸がズキリと痛んだ。


「どうして、泣いてるの?どうして・・・・・」


そんななのはの疑問にフェイト自身が答えていく。


「なのは、ありがとう。私もね、ずっとなのはの事
見てたよ。ずっとなのはの事、1人の女の子として
好き、だったよ」
「えっ?そんな・・・」
「でもね、ダメなんだよ。キミが私に告白したって
知られるとね、キミが酷い目にあうんだ」
「ぁっ」


そういえば、聞いたことがあった。けれどあまりにも
突拍子過ぎて単なる噂話だと思って気にも
留めていなかった。フェイトには実は裏で親衛隊
みたいなグループがついていて、フェイトに告白
したり、そんな気配を見せた生徒には陰で陰湿な
嫌がらせがあるというものだった。

表立っては活動していなかったし、親衛隊なる存在も
フェイトですら知らないと言っていた為、単なる
噂話としてしか認識していなかったのだが、もしそれが
本当で、実在していたとしたら・・・・。


つぃとフェイトの瞳から涙が零れた。


「ごめんね、なのは。キミの事大好きだよ。だからね
私はキミの事、守りたいんだ。誰にも傷つけさせない」
「私がキミに・・・きら、わ・・れたと・・してもね」


フェイトの瞳から零れ落ちる涙をなのははどうする事も
出来ずにただじっと見つめていた。
何も知らずに、あの場の上辺だけの言葉を鵜呑みにして
一瞬でもフェイトを恨んだ自分が情けなかった。
なのはだって、上辺だけでフェイトを好きになった訳では
なかったというのに。


フェイトが時折見せる悲しそうな表情に、なぜか
目を引かれた。その意味を知りたくてずっとフェイトを
見ていた。だからフェイトの優しさが本物だという事は
知っていたのだ。なのに、自分の事しか考えず、なのはを
守るためのフェイトの嘘を見抜けずにただ絶望して。
挙句飛び出した矢先に私は事故にあっていた。


「私は・・・馬鹿だ。自分の事しか考えないで。
こんなにも彼女は私の事を大事にしてくれてるのに」



とココで目の前の光景が一気に変わる。



カバンを届けに来たフェイトになのはが事故に
あった事を教えたのはアリサだった。
アリサはフェイトの様子が気になってなのはの
家に先にやってきていたのだ。丁度その時事故の
連絡が入って、なのはの両親が病院へ駆けつけて
アリサは直ぐにでも駆けつけたい気持ちを抑えて
フェイトを待っていたのだという。


「あんた達、一体何があったのよ!なのはが事故に
あったのってあんたのせいじゃないでしょうね!!」


そう言って詰め寄るアリサ。呆然として責められる
ままのフェイト。そこにすずかがやってきてアリサを
なだめ、2人は病院へとフェイトをその場に残して
立ち去っていた。


フェイトはフラフラともと来た道を引き返す。
その瞳は何も写さず、うつろなまま。
いつの間にか戻っていたあの場所は海の蒼はそのままに
空は茜色に染まっていた。



「なのは?どこ?嘘、だよね。私はなのはを
守りたかっただけなんだよ?こんな、こんな事に
なるなんて・・・・」


キョロキョロと誰かを探すように辺りを見渡すフェイト。


「ねぇ、誰か答えてよ。私、わたし、は・・・なのはを
守りたかっただけなんだ。なのに・・・・」



「わた、し・・・のせい、なのかな。ねぇ誰かっ!!答えて!!」



辺りに響くのはフェイトの悲痛な叫び。フェイトの言葉に
答えを返してくれるものは誰もいない。


「私、なん、だね・・・私がなのはをあんな目に、
あわせ、たんだ・・・わたしがっ!!」


「ぅう、わぁあああああああ、なのはなのはなのは」


ついにその場に蹲り、何度も何度も叫びながら地面を叩く。


「なのはなのはなのはなのは・・・いやだっ!なのはぁ」


白く綺麗なその手が真っ赤に染まってしまっても
フェイトは地面を叩く事を止めなかった。



「やめて!!、お願い。あなたのせいじゃない!
私が悪いんだ。私が自分の事しか考えなかったから」

だから・・・。

何度も何度も地面を叩き続けるその手を止めたくて
縋るようにフェイトへと触ろうとして、自分の手が
フェイトの身体をすり抜けていく事に愕然とした。
そうだ・・・今の自分は・・・・。




伝えたい。もう一度。
フェイトにちゃんと自分の気持ちを。
誰に邪魔されたって構わない。私はこの気持ちを
フェイトを想うこの気持ちを伝えないまま終わるの
なんて、絶対にイヤだ。


そう強く心に想った瞬間、自分の身体が眩い光に
包まれた。



















「よう頑張ったね、なのはちゃん」


という声に目を開けるとそこは病院だった。


「はやてちゃん・・・・はやてちゃんは知ってたんだ」
「そうやね。けど私が話す訳にはいかんかったんよ」
「でも助けてくれた。」
「ホンマはあかんのやけどね。」
「お陰で私、戻ってこれた」
「いや、なのはちゃんは私の助けがなくてもきっと
大丈夫やったよ」
「はやてちゃん・・・・」
「ほら、外見てみぃ」


そう言われて病室の窓から外を見る。
そこには祈るようにして病室を見上げるフェイトがいた。


「はら、おうん・・・・さん」


良く見るとその両手は汚れたまま。流れた血もきっと
そのままに、既に固まってしまっているだろうと
簡単に予測できた。


「あの子、ずっとここにおったんよ」
「えっ?」
「なのはちゃんがここに運ばれて、少ししてから」

気がついたら、ずっとここにおったんよ。
そういったはやての声が酷く遠くから聞こえる気がして
私は、そのまま意識が遠くなっていった。

















ゆるゆると瞼を持ち上げる。
最初に飛び込んできた光景は、全然感動的
なんかじゃない、ただの真っ白な天井。


(ああ、戻ってこれたんだ・・・・)


そう思ったら自然と涙が零れていた。






















意識が戻ってからの私は、お医者さんも驚くほどの
回復力だったという。それはきっと私1人の力じゃ
なくて・・・・・・








「あっ、なのは。目が覚めた?」
「フェイトちゃん?どこ行ってたの?」
「花瓶のね、お水取り替えてきたよ。」
「なんだ、そっか。」
「寂しかった?」
「・・・・・うん。ちょっとね」
「ん、ごめんね。」


そう言ってそっと頬にその手を添えてくれる。
私はその手に擦り寄るようにして目を閉じる。








あの日、意識が戻って最初にしたのは、外にいた
フェイトちゃんを連れてきてもらう事。
フェイトちゃんは自分のせいでなのはが事故にあったと
頑なに会えないって言い張ったらしいんだけど、
アリサちゃんに殴られて、すずかちゃんに説得されて
やっと私の前にやってきてくれた。

私を見た途端、その顔をくしゃくしゃにして泣き出して
しまったフェイトちゃんを見て、私の事を本当に大事に
思ってくれていたんだなって、こんな時なのに
とっても嬉しくなった。



改めてフェイトちゃんに好きだって伝えて、
フェイトちゃんも本当は好きだったって言ってくれて。
アリサちゃんやすずかちゃんもそんな私たちを見て
良かったねって泣いてた。
本当にあのまま消えてしまわなくて良かったって思った。


もう、会う事もないだろうけど、はやてちゃんには
いくら感謝してもし足りないくらい感謝してる。
フェイトちゃんに話したら、


「もし、会えるのなら私も会ってお礼がしたいな」


ってそう言ってくれた。



まだもう少し入院はしなくちゃいけないって
言われてるけど、だけど大丈夫。
今はフェイトちゃんがいてくれるから。
リハビリだって頑張れるんだ。


退院したらね、まず最初にあの場所に行きたいって
フェイトちゃんに言ったら、ちょっとだけ照れて
一緒に行こうって言ってくれた。



フェイトちゃんの大好きな秘密の場所。
空と海が一つに見えるあの場所で、私はもう一度
フェイトちゃんに告白するんだ・・・・・。









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テーマ:魔法少女リリカルなのは - ジャンル:アニメ・コミック

  1. リリカル パラレル
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