好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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普段穏やかな人は、絶対に怒らせたらいけない :: 2011/07/25(Mon)

めちゃくちゃ怖いはず。


小ネタをひとつ







■   □   ■   □   ■   □


今にも消えてしまいそうな桜色が一つ森の中の
大きな木の根元に降り立った。

カツンと地面についた愛杖に体重をかけるように
して立っていた少女は、大木を確認して今度はそれに
ゆっくりと背中を預けていく。

ふぅと息を吐き出しながら、ズルズルとその根元へと
身体を沈めていく彼女の表情は苦痛に歪んでいた。


《my master?》
「・・・ぅん、だい、じょ・・・・ぶ」


マスターと呼ばれた少女はかすれた声で大丈夫と
自身が支えにしていたデバイスに微笑みかける。


(ちょっとだけ・・・ちょっとだけだから)


少し休んだらまた戦える。
少女はそう自分に言い聞かせた。
上空では無数の機械兵器達がこの少女を探していた。







簡単な移送だからと言われた。本部より託された箱には
厳重に封印処置を施されたロストロギアが入れられていて、
それを管理局が管理している研究施設へ運ぶだけの任務。

だからといって決して油断していたわけではない。
少女の他にも経験豊富な魔道士が2人、この任務へと
選ばれていた。

本部を出て暫くしてからその少女、高町なのはが異変に気がついた。
空が、おかしいと呟いたのとほぼ同時位にはるか上空から
おびただしい数の魔力弾が降ってきたのだ。咄嗟にシールドを
張る事ができたのは、なのは一人。2人の魔道士はシールドを
張る事すら叶わず、地上の森へと墜ちて行った。




「くっ・・・」

シールドを張って回避出来たとはいえ、まだ空にはそこを覆い尽くす
程の機械兵器達がウヨウヨと飛び回っていた。
先程の攻撃から身を守る為に張ったシールドはなのはの
魔力の多くを奪っていった。


それでも、なのははロストロギアを守りつつ、シューターを
駆使しながらそれらを確実に墜としていた。けれど
一人での戦闘にはやがて限界が来る。
疲れを知らない兵器と、最初の段階で魔力を大幅に消費してしまった
なのはとではその力の差は歴然だった。
1機撃ち落とし損ねるたびに、そこから放たれる攻撃がなのはの
身体を貫いて行く。


どれだけの時間そうしていたのか、もうなのはには分らなかった。
バリアジャケットは所々焼け焦げていて、露出した肩や足から
血が流れていた。


(このままだともたない・・・・)


そう自分の残りの魔力を計算したなのはは
飛行できるギリギリの魔力を残して一か八かの
勝負に出た。



《Divine Buster》


機械兵器の群れに向かって砲撃魔法を放つ。一瞬動きが
止まった隙になのはは森の中へと急降下した。








(ほんの僅かの時間稼ぎにしかならないよね)
(救援、間に合うかなぁ・・・・・)


最初の攻撃を受けて直ぐ、なのはは本部へ救援の
要請を入れていた。本部のほうでも直ぐに動ける
誰かを手配するはず。自分はなんとかその者達が
来るまで持ちこたえればいいだけなのだが・・・・。


(まいった、な・・・。)


改めて自身の状態を分析する。もうすでに空へ
飛び立つための魔力は残っていなかった。
もし、機械兵器の群れに見つかれば、この場で
戦うしか手は残されていない。
けれど、諦めるわけにも行かなかった。






(フェイトちゃん・・・・・)

そっと大好きな彼女の名を呟く。
それだけで張り詰めていた気持ちが和らぐ気がした。
目を閉じてもう一度彼女の名と彼女の笑顔を
思い浮かべる。

(大丈夫、まだいける)


「レイジングハート」
《yes my master》

「まだいけるよね」
《Of course》


心強い言葉を受けてなのはは再び気持ちを奮い立たせる。
その目の前には、なのはを取り囲むように兵器たちが
飛んでいた。

















「フェイトちゃん!ちょお、待って。早すぎっ」
「ごめんはやて。でも待てない!」




はやてと2人、アースラでミッドチルダへと帰還中
緊急要請のアラートが艦内を駆け巡った。
直ぐにクロノに呼びつけられ告げられたのは
現在、この付近の次元世界で戦闘中の管理局員の救助。
それがロストロギア移送中に襲撃されたなのはの事だった。


(なのは・・・・)



はやてと2人、この世界へと転送されて直ぐなのはの
魔力をサーチして愕然とした。いまにも消えてしまい
そうなほどの小さな光。それがなのはだと頭が
理解するより早く体がその場所へと向かって
飛び立っていた。





その場所に近づくにつれ見えてくる土煙。
心臓がドクドクと煩いほどに拍動を繰り返す。
一瞬視界がとらえたその光景にゾワリとした
ものが背筋を駆け巡った。





あそこにいるのは何だ?


なのはを傷つけるのは誰だっ!


(どけ!、どけ!!。)


「そこを、どけぇ!!」
「ファイア!!」


フェイトの手から放たれたスフェアがなのはを攻撃
していた兵器達を一機残らず撃ち落していた。










ピクリとも動かないなのはを見て、震えが止まらなかった。


「なのは・・・・なのはっ!」


その身体を抱きしめながらひたすらなのはの名を
呼び続ける。


「なのは!なのは、お願い。目を・・目を開けて!」


フェイトの声が辺りに響き渡る。


「・・・・・ん・・・」


その時、僅かになのはの指が動いた。


「なのは?ねぇ、分かる?なのは?」
「ふぇ・・・・・・とちゃ、ん?」
「うん、うん・・・そうだよ。フェイトだよ。」
「・・・・ほ、ん・・・・・とに?」
「ホントだよ、はやてもいるよ」


油断すると涙が零れ落ちてしまいそうになるのを
必死になって堪える。今はまだその時じゃない。
そう自分に言い聞かせて、グッと唇をかみ締める。
なのはの意識が戻った。なら次に私がする事は
一つだけ。


キッと上空を見上げる。いつもの穏やかで優しい
赤い瞳は今はなく、燃えるように怒りに震える
赤がそこにあるだけだった。


「はやて、なのはをお願い。」


一言だけ残してフェイトは空へと飛び出した。











「ぅん・・・はやて、ちゃん?」
「うん、ここにおるよ」
「フェイト、ちゃんは?」
「いま、空のお掃除中」


はやての治癒魔法によって幾らか意識がハッキリした
なのはが、尋ねた。それにはやては心配せんでも大丈夫
と笑いながら上空を見つめる。


「フェイトちゃん、めっちゃ怒っとったから。
手加減一切ナシの全力全開やよ。まぁ所詮機械
やからね。あんなおっかないフェイトちゃんの敵やないな」


安心しててええよ。そう言ってニカリと笑った。


「今はフェイトちゃんにまかせてゆっくり眠ったら
ええ。目が覚めたらちゃんとフェイトちゃんがおるから」


なっ、そう言って笑ったのを確認して、ありがとう
と呟いた言葉ははたしてはやてに届いただろうか?

なのは静かに目を閉じる。さっき意識を失う直前、
見えた金色の光が流れ星に見えた。
流れ星に願い事をいうときっと叶う。そんな事を
言ったのは誰だったのか。

何故かそんな言葉を思い出して、精一杯の思いを
込めて願った。






フェイトちゃん、あなたに会いたいよーーーーー。





見えた光は流れ星のそれではなかったけれど、
ちゃんと願いは届いていたと薄れていく意識の中
なのははふわりと微笑んでいた。


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テーマ:魔法少女リリカルなのは - ジャンル:アニメ・コミック

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