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好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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とある童話ネタが浮んだの・・・ :: 2011/07/28(Thu)

やたらと長くなった。
けどなんだか一気に上げたい気分。

でもね、ほんとにダラダラしちゃったの、
あんまりイチャイチャもしてないし。


それでもいいかな?
言い寄って方は続きからどうぞ







■   □   ■   □   ■   □


ある国の小さな町に、高町工房という人形作りを専門に
しているお店がありました。とても評判のいいお店で
注文はこの町だけでは留まらず、なんとお城の王様
からも注文が入るほどです。ある日このお店のご主人が
言いました。


「なのは。これからお父さん達は、お城に人形を届けに
行かなきゃいけないんだ。今回の注文はとても大きくて
少し仕掛けの必要なものだから、お母さんとお兄ちゃん、
お姉ちゃんも一緒に来てもらわないといけなくてね、だからね
なのは。なのはにはお留守番をしていて欲しいんだ。」
「なのは1人でお留守番なの?」

なのはと呼ばれた女の子は、ちょっとだけ泣きそうな顔で
お父さんに問い返します。
なのははまだ10歳になったばかり。お母さんがお買い物に
行く位のお留守番なら何度もしていますが、今回はそんなに
短い時間のお留守番ではないのです。何しろこの国のお城に
行くんですから。

丸一日掛けてお城に行き、人形をおろして、また丸一日かけて
家に戻ってくるのです。小さななのははとても不安でした。
そんななのはにお父さんは工房から一体の人形を持ってきました。

胴体は柔らかくとても肌触りの良い素材で作られた女の子の
人形です。髪の色は金色で腰の辺りまで伸ばされています。
大きな目はルビーのように真っ赤な色をしていました。
なのはと同じ位の身長のその人形をなのはに渡しながら
お父さんは言いました。

「なのは、この子(人形)はフェイトというんだよ。この子と
一緒なら留守番も寂しくないんじゃないかな?」
「ふぇいと、ちゃん?」
「そう、フェイトちゃんだ。年もなのはと同じ10歳なんだよ。」
「ぅわぁ、綺麗な子だね。この子と一緒ならなのは平気だよ。
ちゃんとお留守番してるから、お父さんたちは安心して
お城に行って来ていいよ」

なのははとても綺麗なこの人形を大事に抱えながらお父さんに
言いました。それを見て安心したお父さん達は、いってくるね
となのはの頭を撫でてお城へと出かけていきました。


けれど、とても悲しい事に、なのははこの日を最後に
一人ぼっちになってしまったのです。




それは、突然の事だったんだよと知らせに来てくれたお城の人が
言っていました。前日までの大雨のせいでお城の周りの地盤が
大変弛んでいたそうです。
丁度お父さんたちの乗った車が山の下を通りかかった時に
大きな土砂崩れが起こったのです。お父さん達はそれに
巻き込まれたんだよ。そう言ってお城の人は涙を流しました。

「・・・・・お父さん達は?」

小さな声でなのはは尋ねます。

「外の車の中にいるよ」
「・・・・人形は?」
「一緒だよ」
「見ても、いいですか?」
「・・・・あぁ、でも大丈夫かい?」
「大丈夫です。私にはフェイトちゃんが付いててくれるから」

そう言って涙を堪えながら人形を抱きしめる手に力を込めました。

「そうか・・・・それなら一緒においで」

そう言ってお城の人はなのはを車まで連れて行ったのでした。



それは、まるで今にも起き出してくるのではないかというほどの
綺麗な顔でした。

「お父さん」

そっとその頬にふれます。

「つめ、たい・・ね。あのねお父さん。なのは、ずっとフェイトちゃん
と一緒だから寂しくないよ」

「お母さん」

優しく頬を撫でます。

「まだまだ沢山お菓子作り教えて欲しかったな。でもなのは、沢山
練習して、上手になるからね」
「お兄ちゃん。いつもなのはの事守ってくれてありがとう。これからは
なのはも強くなるからね」
「お姉ちゃん。いつも勉強教えてくれてありがとう。1人で出来るか
ちょっと心配だけど、でも一杯頑張るからね」

一人一人頬に触れ、なのはは話しかけます。そして最後に人形の所に
やってきました。

「この人形、壊れたんですか?」
「傷はないんだが、どうやっても動いてくれないんだ。ご主人が
特殊な仕掛けだと言っていたから何か工夫が凝らしてあるんだろうね」

そう言って首を傾げるお城の人になのはが言いました。

「あの・・・」
「何だい。」
「この人形、動かす事が出来たら、お城に飾ってくれますか?
お父さんの自慢の人形なんです」
「ああ、いいとも。でも・・・・キミがやるのかい?」
「はい、これから勉強して、私、お父さんみたいな人形作りの
人になりたいんです。」
「そうか、分かった。君は・・・強いね。えっと、名前は?」
「なのはです。高町なのは。」
「そうか、僕はクロノだ。クロノ・ハラオウン。僕が責任を
持ってそう伝えるよ。」
「ありがとうございます」

なのはは、クロノにお礼を言って深く頭を下げました。


クロノがお城へ戻った後、なのはは1人枕を抱え、大声で
泣きました。いつまでもいつまでも。涙が枯れてしまうのでは
ないかと思うくらい泣き続けるなのはを人形のフェイトだけが
ずっと見ていました。





そんな悲しい出来事から7年。
なのはは17歳になっていました。

「おはよう、フェイトちゃん」
「・・・・・・」
「今日も楽しい1日になるといいね」

悲しい事を乗り越えたなのはは、とても優しい素敵な女性へと成長
していました。あの時のクロノとの約束は残念ながらまだ果たせては
いないのですが、人形作りの腕前は当時の父親にも引けを取らなく
なっていました。
なのはの作る人形はどれも評判が良く、おまけになのは自身の魅力も
加わって、今では男性のお客さんも沢山増えました。
そんな評判のなのはに交際を申し込む男性も少なくはありません。
けれども、なのははそれらを全て断ってしまいます。


「ごめんなさい」
「やはり、誰か想い人でもおられるのですか?」
「そうではないんですけど、私にはまだやらなきゃいけない事が
あるんです。それが終わるまでは誰ともお付き合いするつもりは
ないんですよ」

そう言って少し寂しい顔をして笑います。けれどそれに気が付く者は
誰もいません。

「そうですか。ですが、私は諦めませんよ」

そう言って、今日も1人交際を断られた男性が、肩を落としながら
帰って行きました。



その夜

「フェイトちゃん、私ね、怖いんだ。誰かとお付き合いして、もし
その人が急にいなくなったりしたらって考えるとね、どうしようもなく
怖くなっちゃうんだ」
「・・・・・・」
「また一人ぼっちにされるのは、耐えられないの。
ねぇ、フェイトちゃん。フェイトちゃんは私とずっと一緒に
いてくれるよね。私を一人ぼっちにしないよね?」

フェイトちゃんーーーーーーーー。

こんな夜、なのはは決まって涙を流します。とても悲しい涙です。

(・・・・・・・なのは・・・・)
(泣かないで・・・なのは!)

なのははこの7年でとても素敵な女性に成長しました。
それは共に過ごしてきた人形フェイトにとっても、奇跡の7年
だったのです。




きっかけは果たして何だったのか。それは誰にも分かりません。
けれど、人形フェイトはなのはに愛されていました。
奇跡が起こったとすれば、なのはの愛がフェイトに通じたのでしょうか?


「フェイトちゃん、おはよう」
(おはよう、なのは。今日も綺麗だね)

「フェイトちゃん、おやすみ」
(おやすみ、なのは。今日もお疲れ様)

「フェイトちゃん、ずっと一緒にいてね」
(もちろん、私はなのはとずっと一緒にいるよ)

「フェイトちゃん。大好きだよ」
(私も、なのはの事、大好きだよ)


気が付いたらフェイトには自我が芽生えていました。
けれど所詮は人形。どれだけなのはに語りかけても
それがなのはに伝わる事はありません。なのはが
沢山の言葉を掛けてくれても、心に想う事は出来ても
言葉にする事は出来ないのです。

なのはがどんなに泣いていても、その肩を抱きしめて
慰めてあげる事は出来ないのです。その身に一心に
なのはの愛情を受けても、なのはに同じ想いを返せない
人形フェイトは、いつしか同じ事を星に祈るようになりました。


(この世界に神様がいるのなら、どうかお願いします。
私のこの動かない口を話せる様にして下さい。動かない
この腕を動くようにして下さい。歩けないこの脚を
歩けるようにして下さい)

来る日も来る日も人形フェイトは祈り続けました。
そんな事をひたすら願い続けて、もうすぐ1年に
なろうかという時でした。

その日は、なのはの両親が亡くなった日。なのはが一人ぼっちに
なってしまった日でした。1人なのはは涙を流します。今はいない
大好きだった家族を思って。そうして、疲れて眠ってしまうまで
涙を流すのです。その涙を見ながら人形フェイトは願います。

(お願いだ。神様でも悪魔でも何でもいい。今、なのはを
慰められる腕が欲しい。一人じゃないと言える口が欲しい。
私に動く身体を下さい!!)


その時です。目の前の空間にぽっかりと穴が開いて、人が現れました。

「私の事呼んだんは・・・・・えっとあなたかな?」

フェイトを見つめてその人は話しかけます。

(・・・・・・誰だろう?)
「誰って、たった今、神様でも悪魔でも何でもいい・・言うてたやん」
(えっ?私の考えてる事分かるの?)
「分かるよ、もちろん」
(えっと・・・・・・か、み・・・・さま?)
「何でそんなに疑り深い目で見るんやろ、こん子は。けど、まぁ
悪魔、言わんかったから許したるけど・・・・私は魔法使いや」

そう言ってカラカラと楽しそうに笑う。

(魔法使い?)
「そ、あんたの願い。ホンマは1年前から届いとったよ」
(そんな!だったら何でもっと早く)
「こんな例は今までなかったんよ。ただの人形が自我を
もつなんてな」
(あ・・・・・・)
「だから、あんたの事ずっとな、見てたんよ」
(見てた?)
「そう、どうして自我が生まれたのか理由を知りたくてな」
(り、ゆう・・・・。それで、分かったの?)
「いや、分からんかった。実際今でもこうして自我を持つ
人形はあんただけなんやから」
(そう・・・・)
「けどな、あんたの願いは自分の為やのうて、この子の為の
願いやっていうのがよくわかったから、今日はその願い
叶えよ思てこうしてやってきたわけや」
(えっ?ほんと!?ほんとに動けるようにしてくれるの?)
「もちろん。魔法使いは嘘、つかへんもん」

そう言って魔法使いだといったこの人は任せとき、と自身の胸を
ドンと叩くのでした。






「ほしたら、行くよ」

人形フェイトを床に置き、魔法使いは杖をかざします。
途端に床には魔方陣が広がりました。そして直ぐに真っ白な
光にフェイトが包まれたと思ったら・・・・・・・

「これ・・・・私?」

その場に立ち上がったフェイトがいたのでした。

「気分はどうや?」
「・・・・凄い、これ・・・私立ってるんだね」

そう言って脚を踏み出そうとしてカクンと膝がおかしな
方向に曲がって倒れてしまいました。

「???」
「歩く練習はせんとアカンね」
「・・・・・」

自分の曲がってしまった足を見て、フェイトは言います。

「ねぇ、魔法使いさん。」
「はやて、やよ」
「えっ?」
「私の名前。魔法使いさんやなくて、八神はやて、言うんよ」
「・・・・あの・・・はやて」
「何や?」
「私・・・・人形のままなの?」
「なんで?」
「えっと、てっきり人間にしてくれるのかなって思ったから」
「あぁ、そこまで甘えたらアカン」

少し呆れたように言う
はやてと名乗った魔法使い。

「そ、だよね。うん。これで十分だよ。だって言葉も話せるし
こうして手だって動く。脚は・・・まぁちょっと練習すれば」

うんうん、そうだそうだ、と1人納得しかけたフェイトに
はやては更に言葉を続けます。

「あんなフェイトちゃん。まだ人間になれんて言うたわけやないよ」
「えっ?」
「ある事が出来れば、いつか人間になれるよ」
「そう、なの?・・・・一体どうすればいいの?」
「沢山ええ事したらいいんよ。そうすればいつか人間になれる」
「いい事?それだけでいいの?」
「せや。けどなそれには条件があってな、嘘ついたらアカンねん」
「嘘?嘘って・・・・何?」
「何や、嘘、知らんのか」


フェイトは優しいなのはと一緒に暮らしていました。なのはは嘘は
付きません。だからフェイトも嘘を付くという事を知らないのです。

「早い話が心で思ったことと違う事をいう事やな」

若干違うような気もしないではありませんが、概ねこんな感じと
いう答えをはやてはフェイトにいいました。

「で、嘘付くとどうなるの?」
「それはな・・・・・・ぅんと、実際にやってみよか?」
「えっ、大丈夫なの?」
「大丈夫、ちゃんと戻したるから」
「・・・うん、分かった。どうしたらいいの」
「ほしたら、最初に見た私の感想は?」
「えっ?はやての?」

コクコクと無言のままはやては首を縦に振ります。

「えっと・・・・・とっても、綺麗な女の人?」

そういった途端

にゅぅぅぅううううううううっとフェイトの鼻が一気に1メートル
程伸びました。

「ぅわぁぁあああぁぁああああ。鼻が、鼻が・・・・」
「・・・・・・・・なんや、釈然とせんモノがあるな」
「はやて、はやて。こ、これどうしたら治るの?」
「・・・・・・・」
「はやて!」
「正直に思ってること言ったら治るよ」

ムスリとしたままはやては答えます。

「えっと、はやてを最初に見た時・・・・・ちっちゃいくて・・・・」


ひゅるひゅると鼻が縮んできます。

「・・・・・可愛い人」

にゅぅぅううううううう
再び鼻が伸びます。

「うわぁぁあああああ、ご、ごめんなさい。小さくて変な人!!」

ひゅるるるるるるる、鼻はやっと元の高さに戻りました。

「変な人・・・・・はぁ、はやてちゃんショック・・・」
「ご、ごめん。だって行き成り現れるんだもん。ビックリするよ?」
「まぁ、そうしといてやるわ」
「はぁ・・・、ありがと。はやてっていい人だね」

言って一瞬ビクリと肩を震わせるフェイト。サッと鼻を押さえますが
元に戻ったまま鼻は伸びませんでした。

「あはははは、まぁええわ。許したる。けど分かったやろ?。
嘘付き続けるとずっと伸びたまま戻らん他に、また人形に
逆戻りになるから気ぃつけるんよ?まぁ、フェイトちゃんの場合は
嘘つかんでよさそうやけどな」
「もう、嘘はいいよ。」

しゅんとしてしまったフェイトにはやては最後のご褒美を
用意していました。

「フェイトちゃん。今回は特別に今、一個だけ願いを
叶えてあげるよ。」
「願い・・・・でも、いいの?」
「ええよ、けど人間になりたいっていうのは却下やからね」
「・・・そしたら、なのはと同じ17歳の大きさにして欲しい」
「17歳?」
「うん、今の私だとなのはよりもずっと小さくて、なのはを
抱きしめて上げられないでしょ?」
「うわっ、抱きしめるって・・・えらい堂々と言い切りよったで」

若干顔を赤くしたはやては、照れ隠しにそんな強がりを
いいました。こてんと首を傾げて訝しがるフェイトに
何でもないと手を振って、はやてはフェイトに魔法を掛けました。









そっとフェイトはなのはの眠るベッドへと腰掛けます。
その顔には、涙の後がありました。
そっと頬に触れて、それから頭を撫でます。何度も何度も。
フェイトがいつもなのはにしてもらっている事です。


「んっ・・・・・」

それが刺激になったのか、なのはは薄っすらと目を開けました。
目の前には知らない女の人がいて、なのはに笑いかけます。

「・・・・・だれ?」

まだ、頭がハッキリしないなのはは、片言で問いかけます。

「フェイトだよ、なのは」
「え?・・・・・ふぇ、いと・・・ちゃん?」
「そう、人形のフェイト。なのはにね、ずっといいたい事が
あって、魔法使いに動けるようにしてもらったの」
「・・・・・わたし、ゆめみてるの・・・・かな?」

まだ寝ぼけているなのはは、そんな言葉を呟きました。

「ふふふふ、そうだね。今はまだ夢かも知れないね」
「フェイトちゃんが大きくなる夢なんて、素敵だなぁ」
「本当にそう思ってくれる?」
「う・・・ん。もちろ・・・・・」

なのはは再び眠りに付こうとしています。

「ねぇ、なのは。私はずっとなのはと一緒にいるからね」
「なのはの事私、大好きだよ」

フェイトの言葉は眠ってしまったなのはには届いていないかも
しれません。でもフェイトは満足していました。
やっと、今までもらった愛情のお返しが出来る。ただそれが
嬉しかったのです。




翌日目が覚めたなのはは、昨夜の事が夢ではなかった事に
再び驚いて、でもそれ以上に嬉しくて、朝から沢山
涙を流してしまいました。そんななのはにフェイトは
オロオロと慌てますが、これは嬉し涙だからいいんだよと
なのはに言われて不思議な顔をしながらそっとなのはの
肩を抱きました。

フェイトの願いの叶った瞬間でした。







とある国に高町工房という人形店がありました。
そこにいる人形職人は人形から人間になった
女性と共にいつまでも幸せに暮らしましたとさ。





おしまい
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