好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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社長と秘書10 :: 2011/02/13(Sun)

色々と思うところはあるかもしれませんが、とりあえず
スルーの方向で(笑)。

全部終わったら、後書きで言い訳します(爆)

10話です。





「・・・・どういう事?」

「ねぇ、どういう事かって聞いてるんだ!!」

「どういう事って言われても・・・・書いてある通りなんじゃない?」


目の前に置かれた一通の封筒。その表には彼女らしい
綺麗な字で「辞表」と書いてあった。





今日は高町さんの有給の終わる10日目。
自分の不注意で倒れてしまったけれど、おかげで
昨日一日、ゆっくりと休めた。睡眠もとった。
美味しくなかったけど、ご飯も食べた。
今日こそはやてとの約束を果たそうと意気揚々と
出社してみれば、何なのだ、これは




「エイミィ、真面目に答えて!!」

今これを私の前に差し出した張本人に怒鳴る。
私に怒られてもとかブツブツ言ってるけどそんなの知るか。
私は「何故」「こんなもの(辞表)」が「ここ」にあるのか
それが知りたいんだ。




「昨日の終業間際にね、受付で偶然なのはちゃんに会ったの」



『あれ?なのはちゃん、明日まで有給じゃなかったっけ』

『あっ、エイミィさん。そうなんですけど、ちょっと
渡して貰いたい物があって来たんです。』

『じゃあ、私でよかったら頼まれちゃうよ~』

『そうですか、じゃあ、これをお願いします。』

そう言って手渡されたのがこの辞表だった。

『えっ?ちょっ、待って・・これって、なのはちゃん?』

『よろしくお願いします。あと会社にある私の私物は
処分してもらって結構ですと合わせて、伝えて下さい』

そう言って走り去ってしまったのだと言う。






「・・・・・これ、誰かに見せた?」

俯いたまま尋ねた。

「・・・見せてないよ。それにこの事は私の他は誰も知らない」

ガバッと勢いよく顔をあげてエイミィを見る。

「それで、良かったんだよね、フェイトちゃん」

「うん!!ありがとう義姉さん・・・・ねぇ、今日の私の予定は
どうなってる?」

「ん?本日まで社長はお休みを頂いております。」

そう悪戯っぽく笑うエイミィにありがとうと告げ
私は社長室を飛び出した。










(これから、どうしようかな・・・・)

休暇最後の日。正確には辞表を出しちゃったから
ずっと休暇みたいなものなんだけどね。

今は一人暮らしをしている自分の部屋へ戻って来ていた。
両親にはまだ辞表を出した事を言っていないから、明日から
また仕事に戻ると思っているけど・・・・・

(家に戻ろうかな、仕事探さなきゃいけないし。)

(とりあえず、次の仕事が見つかるまで喫茶店の手伝い
でもして・・・・)

(ああ、そうだ。その前に・・・)


フェイトの事を考えないように次々と、どうでもいい事を
淡々と考える。彼女の事を思う暇がなくなるくらい、違う
思考で頭を埋めて行こうとするのだがうまくいかない。


(・・・・・・社長は元気になったかなぁ)


結局、考えるのはフェイトの事、そう自覚して自嘲する。









ピンポ~ン

(ん?誰かな、こんな時間から)



ピンポン、ピンポ~ン

(今は誰にも会いたくないなぁ・・・・)



ピンポン、ピンポン、ピンポ~ン

(もう、仕方ないなぁ)
「はぁ~い」



ぼんやりと座り込んでいたら、来客を知らせる音がなる。
正直、今は誰にも会いたくないから居留守でも使おうかと
思っていたんだけど、人がいるのが分かったのか相手も
しつこくて諦めてくれない。3回目のチャイムで仕方なく
立ち上がった。



何をするのも面倒で、そのままドアを開けてしまった。
一瞬セールスだったらどうしようかとも思ったけど、
開けてしまったものは仕方ない。

「どちら様で」

すか、と言いかけて固まった。そこには





「相手を確認しないでドアを開けるのは感心しないよ」

私が会いたくてたまらなかった人がいた。













どうぞと差し出されたお茶を一口飲んで、その美味しさに
驚いた。思わず

「美味しい」

と呟いたら、彼女が少し俯き小声でありがとうございます
と言って微笑んだ。

(彼女のこんな姿が可愛いと思ってしまう私って・・・・)

つい頬が緩みそうになるのを必死に堪える。
いけない、今の私は怒ってるんだから。
そう思考を戻すと余計な事は一切言わず、黙って
辞表を彼女の前に差し出した。




「「・・・・・・」」



沈黙を破ったのは私。

「これは、一体どういうことなのかな?」

「・・・・・・」

「キミの処分は私に任されていたはずだよね」

「・・・・・・」

「それを、私を無視してこんなモノもってくるなんて」

「私はキミに社長として認めてもらっていないという事なのかな?」



彼女は何も言わずに俯いているけど、それに構わず私は続ける。

「残念だけど、この辞表は受け取らないよ」

「そんなっ!」

「当然でしょ、私を無視して勝手な事をしてるんだから」

「・・・・・自分の事だから、ちゃんと自分で結論を出さないと
いけないと思ったんです。やってしまった事の責任は・・・・」

「・・・・・キミが会社を辞めなきゃいけない様な事は何もないよ」

そう言って彼女を見つめる。まだ俯いたままだけど少しだけ
泣いているようにも見える。私が彼女を引き止めるのは
間違っているのだろうかと一瞬弱気になってしまいそうに
なる。だけどやっぱり私は彼女と一緒に今まで通り仕事が
したい。彼女の笑った顔を一番近くで見ていたい。だから
やっぱりこれだけは絶対に認められないんだ。




「・・・・・・私のせいで・・・」

「えっ?」

声が小さくてちゃんと聞き取れなくて思わず聞き返す。

「・・・私のせいで社長に無理をさせてしまいました。私が
あの場所に行かなければ、今でも社長はあの場所で
あの子達と笑っていられたんです。なのに私はそれを
壊してしまった。そのせいで社長は倒れるまで無理を
する事になってしまったんです。」

「・・・・・・」

「私は・・・・・社長をただ苦しめて、倒れてしまうくらい
無理をさせていた事にも気がつかなくて、自分だけが
辛いんだと思っていました。そんな自分が許せないんです。」

「・・・・・・」

「だから、その辞表は受け取ってください。」








「・・・・キミはどうして私が倒れた事を知ったのかな」

ふと疑問に思った事を聞いてみる。はやてちゃんがと言うのを
聞いてああそうかと思った。おそらくエイミィがはやてに知らせて
それをまた彼女に教えたのだろう。全く手は貸さないって
言ってたくせに、はやてもおせっかいだな

(全く、はやてにはいつまでたっても敵わないな)

(あれ?それならあの時の・・・・)

「ごめんなさいって聞こえたのは気のせいじゃなかったんだ」

「ぁ・・・・・」

彼女があわてて手で口を塞いだ。
そうか、そうだったんだ。

「あの時、頬に何か暖かいものが触れた時、とても
安心できたんだ。苦しくてずっと暗闇にいたのに
頬だけが暖かくてね、そのぬくもりが心地よくて
気がついたらとても体が楽になっていた。」

そうかキミだったんだね。ありがとう。
そう言うと彼女の瞳から涙が零れ落ちた。
ああ、彼女のこんな悲しい顔は見たくなかったのに。




「ねぇ、高町さん。キミが私の笑った顔を見たいと思って
くれたように、私だってキミには笑っていて欲しい。
そんな悲しい顔をさせたくないんだ。このままこれを
受け取った方がキミは辛くないのかもしれないけど
それだと、私が笑えない。もう前みたいに笑えないよ」

そう言うと彼女が驚いたように私を見た。こんな時なのに、
彼女の流す涙が綺麗だと思ってしまった私は、彼女に
随分と囚われてしまっていたんだと思い知らされる。




「私、は・・・・傍にいて、も・・・・・・いいんですか?」

やっと聞き取れるようなそんな小さな呟きが聞こえた。
そう、私はキミに傍にいて欲しいんだ。



「もちろん、キミがいないと困るよ」

これが本当の私の気持ちだよ。



「私は、社長と一緒に、いたいです」

「うん、ありがとう。」






ああ、キミをやっとつかまえた。










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