好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




スポンサーサイト :: --/--/--(--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


  1. スポンサー広告

隙間産業を狙ってみた。その3ww :: 2012/10/14(Sun)

今回はちょっと変化球wwwっぽく。







■ □ ■ □ ■ □



「ねぇねぇフェイトちゃん」
「何?なのは」
「私とひと夏のアバンチュールしよっ!」
「っ!!なっ!・・げほっ!ごほっ!ごほっ・・」
「わっ!ちょっ、ちょっと!大丈夫?フェイトちゃん」


本を読みながらコーヒーを飲んでいたフェイトちゃんに半分本気の冗談を言ったら、盛大にむせた。コーヒーがどうやらおかしな所に入っちゃったみたいで涙目になってる。何もそんなに驚かなくてもいいのにな。なんてその背中を摩りながらそんな事を思った。






私の名前は高町なのは。ここ「下宿屋高町」の一人娘で現在中学3年生。そして、たった今私が言った一言にコーヒーを気管に詰まらせ盛大に咽てるこの人はフェイトちゃん、現在20歳の現役の女子大生。フェイトちゃんが高校生だった頃、ここで下宿していたのがきっかけで仲良くなった、お姉さん的存在の人。


そして私の初恋の人で、片想いは現在進行形。


フェイトちゃんには私の気持ちは実はもう伝えてある。フェイトちゃんが進学の為に、ここを出て大学近くのアパートで一人暮らしすると聞かされた日に、つい勢いあまって口走っちゃったから。まぁ本気の想いだと受け止めてはくれなかったけど・・・。でもね、フェイトちゃん。私、本気なんだよ?15歳の私だって本気で恋、するんだよ?


















『フェイトちゃん!ここ出てくって本当?』
『なのは。出てくって、まぁ言葉にすればそうなんだけど・・・。ほらここから大学までだとちょっと遠いでしょう?私、朝弱いし。だからね、もう少し大学に近い所から通おうと思って』
『でも、やっぱり出てくんだよね?』
『たまに顔は出すよ?桃子さんもここはもう一つの私の家だって言ってくれたし、それに可愛い妹の顔もたまには見たいしね』


くすりといつもの様に優しい笑顔を私に向けて、それから頭を撫でてくれるフェイトちゃんは、私の事を本当に可愛がってくれてるんだなって言うのが感じ取れて凄く嬉しかった。だけど、違うの。私はフェイトちゃんの妹になりたい訳じゃないの。ずっと一緒だって思ってたから、だからこのままでいいやって思ってたのに。


フェイトちゃんは幼い頃に両親を亡くしてて、ずっと児童施設にいたって言ってた。この下宿にやって来たのは、施設には義務教育の間しかいられないからなんだって。ここに初めてやって来たフェイトちゃんを見たとき、一人っ子の私はお姉ちゃんが出来たみたいな気がして物凄くはしゃいだのを今でも覚えてる。そんな私がフェイトちゃんに恋するだなんて思ってもみなかったけど・・・。



『・・・じゃないよ』
『え?ごめん、何?なのは』
『・・・もと・・・・じゃない』
『なのは?』
『私はっ!・・・私は、フェイトちゃんの妹なんかじゃないもん!私はなのはだもん!行かないでよ!ここにずっといてよ!朝起きれないなら私が毎日フェイトちゃんの事、起こしてあげるよ?一人で食べるご飯なんて寂しいだけでしょ?真っ暗な部屋に帰るのなんて嫌でしょう?私は嫌だよ!ねぇ、ここにいてよ!・・・離れ、たく・・ないよっ!・・・好きなんだもん!フェイトちゃんの事大好きなんだもん!』



フェイトちゃんはここが好きだって言ってくれてた。自分はもうここしか居場所はないんだって。そんな風だったからまさかフェイトちゃんの口からここを出て行くなんて言葉を聞くなんてちっとも考えた事がなくて。だから、なんだと思う。フェイトちゃんが言った「出て行く」って言葉に私は我を忘れた。ただフェイトちゃんを引き止めたくて、言うはずのなかった事まで叫ぶように口にしてしまっていた。


私は、あの時のフェイトちゃんの困ったような顔を忘れられない。


ごめんね、とか。どうしたの?とか。そんな想いが綯い交ぜになったようなそんな瞳をしていた。



『あ・・・わ、私・・・』
『なのは・・・あのね、私・・』
『どうしたの? 2人とも。大きな声を出して』
『っ!・・・ごめん、何でも、ない』


タイミングが良いのか悪いのか。たまたま顔を出したお母さんと入れ替わるように私は自分の部屋に逃げ込んだ。フェイトちゃんがお母さんに、なのはに叱られちゃいましたよと口にするのをどこか他人事のように聞いていた。














あれから2年が経過した。


あの日、私が口走ってしまった「好きなんだ」と言う言葉をフェイトちゃんがどう受け取ったのか、それは分からない。いや、多分・・・私がフェイトちゃんをお姉ちゃんとして「好き」でいるんだとそう受け取ったのだろう。その証拠にフェイトちゃんはあの日から今日までずっと変わらずにいる。

あの時の言葉通り、時間が空けばここに来るし泊まっていく事だってある。私達と一緒に食事をして、同じベッドで眠る事だって。あぁ、でも・・・お風呂には一緒に入ってくれなくなったなぁ。


「なのは、2人でここのお風呂はちょっと狭いよ?」


フェイトちゃんが引っ越してから初めてここに帰ってきた日。嬉しさのあまり一緒にお風呂に入ろうよ!って口にしたら、それはさすがに・・・ってフェイトちゃん困った顔してたっけなぁ。あの時は成長した自分を恨んだっけ・・・・。



「なのは」
「え?あ、ごめん。何か言った?」


何となく昔の思い出に浸っていたら、フェイトちゃんに呼ばれた。


「いや、そうじゃなくてね?」


やっと落ち着いたらしいフェイトちゃんは、軽く私の事を睨んでる。


「冗談を言える余裕があるんだ? もう出来たって事?」
「へっ?あ!。いや、その・・ちょっ、ちょっと待って!あと、あと少しだから。ね?」
「・・・・あと5分」
「ちょっ、それ横暴!。待ってよ!せめて後15分、いや10分で良いから!ね?フェイトちゃん」


忘れてた。私、今勉強見てもらってたんだよね。受験生の私は、こうしてフェイトちゃんが家に来てくれた時はいつも勉強を見てもらうようになった。フェイトちゃんもそのつもりで来てくれるから、特に今日みたいなテスト前はフェイトちゃんは自作の小テストを作って持って来てくれる。だけどこれがまた凄く難しい。1問解くのに数分掛かるのなんて珍しくもなんともない。その代わり、全問正解した時のご褒美がこれまた凄く嬉しいんだ。


今日のご褒美は、明日映画に一緒に行く事。どのアニメが見たい?って最初から私はアニメを見たがっているって決め付けられてるのが何だか子ども扱いされてて納得はいかないけれど、でも今はそれでもいいんだ。


いつか。そうだな、私が高校に入学できたらもう一度、今度は勢いなんかじゃなくてちゃんと想いを伝えようって思えるようになったから。だから


「出来たよ、フェイトちゃん。絶対全部正解だから。だから明日は映画ね!」
「どれどれ・・・・・へぇ、ホントだ。ちゃんと出来てる」
「にゃはは、だから言ったでしょ?自信あったもん」
「うん。よく出来ました。なのは明日はどのアニメが見たい?」
「フェイトちゃん、私いつまでも子供じゃないんだよ?明日はね・・・・・」





どうせなら目一杯甘いラブスリーにしよう。




そう言ったらフェイトちゃんはどんな顔をするんだろう。少しは私の事意識してくれるようになるかな。そんな事を考えながら私は明日の予定を話し始めるのだった。




















私の部屋のベッドで気持ちよさそうに眠るなのはを見つめる事小一時間。我ながら、何と言うか・・・・。


「ひと夏のアバンチュール・・・か」


なのはの言った一言は衝撃的だった。まさかなのはからそんな言葉が出てくるなんてこれっぽっちも想像しなかったから、驚きすぎて飲んでいたコーヒーがおかしな所に入り込んでしまって盛大に咽た。


「なのはは、分かってるの?」


無防備な顔で眠るなのはの頬をちょんと突付く。夢でも見ているのかその口元はさっきから緩みっぱなしだった。


「私は、アバンチュールで終わらせるつもりはないんだけどな」


ポツリと私の口から本音が漏れた。



















この下宿を出る事にしたとなのはに告げた時、私はその理由をここは大学には遠いからと説明した。だけど、本当の理由はそれではなかった。

中学卒業と同時に私はそれまで過ごしていた児童施設を出なければならなくなった。そこで紹介されたのがこの「下宿屋高町」だった。最初に挨拶に尋ねた時に一緒に紹介されたのが当時はまだ小学生だったなのはだ。この頃ここに下宿しているのは私だけだったから、必然的になのはと過ごす時間も多かった。最初は妹のように思っていた。好きだと思う感情もそれは妹に向けての感情だと信じて疑わなかった。

だけど、日々成長していくなのはを見る自分の目が、何をするにもその姿を追っている事に気が付いた時、私は自分のこの感情を疑った。

私はなのはに触れたいと思ってる。その真っ白な肌に口付けたいと思ってる。疑いを向けてしまえば何故か、私の「好き」は家族に向けるような「好き」ではないと、そう自覚するのにさほど時間は掛からなかった。



だけど自覚してしまうと今度はそれを押さえ込むのが思っていた以上に大変だった。幸か不幸か。なのはも私の事を姉のように好きでいてくれると感じていたから、とにかくなのはに嫌われるような事だけはしたくなかった。


そんなある日の事、私は学校の行事のせいでいつもより帰りが遅くなってしまった事があった。


「遅くなっちゃったな。今日桃子さん達も出かけてて帰りが遅いって言ってたのに」


たまたまなのは一人で留守番をしている日だった。もちろん中学生になったなのはが留守番をしている事なんて珍しい訳ではなかったからそこに問題はなかったのだけれど、折角2人だけで過ごす時間が出来るなと思っていた矢先の事だったから、思った以上に学校を出るのが遅くなった私は少しイラ付きながら下宿までの道を走っていた。


「ただいま」


玄関を開けると家の中は薄暗くて、リビングには誰もいないのだと思われた。なのはも一人だから自分の部屋にいるだろうと、とりあえずリビングへと足を踏み入れ、電気を付けようとスイッチに手を伸ばした時、ソファで眠っているなのはを見つけた。

「なのは?」

小さく呼びかけてみたけれど、どうやらぐっすりと寝入っているせいかピクリともしない。疲れて眠っているのなら電気をつけてしまって起こすのも可哀想だと思い、伸ばした手を引いて、私は薄暗い室内を足元に注意しながら眠るなのはに近づいていった。


「なのは、風邪引くよ?」


起こすつもりだったのか、そうではなかったのか。問いかける声は想像以上に小さかった。ソファの肘掛に頭を預けて眠るなのは。私の視線はその柔らかそうな唇に釘付けになっていた。そして気が付いたらその唇にあと少しで触れてしまう距離に自分はいた。



パチッ!


「フェイトちゃん?」
「っ!!」


突然明るくなった室内。娘に不自然に近づいている下宿人。桃子さんの声はいつもと変わらない声音だったけれど、あの時の私は自分のとった行動の浅はかさにただただ申し訳ない気持ちだけで一杯になっていた。










それをきっかけに私は、大学をこの下宿先から出来るだけ遠い場所を選んだ。もちろん専攻したい学部もある事を確認した上で、だ。娘に何かしようしていた私の事を桃子さんが問い詰めるような事は一切なかった。それどころか今までと全く変わる事のない態度で接してくれていた。それが嬉しい反面辛かった。行き場のない私に同情しているのだと思っていたから。



だけど、それが全部私の思い違いだと知らされたのは、あの日、なのはにここを出ると告げた日だった。なのはに好きだといわれ戸惑っていた私に桃子さんは言った。なのはの気持ちに応えてやって欲しいと。



「桃子さん、一体、何を・・・・」
「ん?そのままの意味なんだけど」
「でも、私は・・・」
「フェイトちゃんもウチのなのはの事、好きよね?」

問い掛けだけど、確信を持った言葉。嘘は付けないと思った。


「好き、です。ずっと前から・・・すみません」
「どうして謝るの?フェイトちゃん何か悪い事でもしたの?」
「だって、私・・・」

お世話になっていながら、それを踏みにじるような感情を抱いてしまった。想いに偽りはないけれど、それでもいけない事をしているのではないかとずっと思っていたと正直に告げた。

「私のせいかしらね?」
「そんな!違います!そんなんじゃ」

あの時、私を責めなかったのは同情なんかではなくて、なのはの気持ちを知っていて、そして私も同じ感情を持っていてくれたのが嬉しかったからだと言われた。


親というものは皆こうなのだろうか・・・。


「私、女です」
「知ってるわ」
「なのはも・・・女の子です」
「そうね。息子ではないわね」
「桃子さん・・・」
「あら、ごめんなさい」

茶化してる訳じゃないのだけれどと笑われた。それからいいんじゃない?とも言われた。

「私はね、人が人を好きになるのに理屈なんていらないと思うのだけれど、違うのかしら?」
「それは・・・けど」
「常識なんてものは、恋愛の前ではないのと一緒よ?」
「そういう、もの・・なんですか?」

友人と恋の話をした事がない訳ではない。だけど、それは全て男女の話だった。世間一般で普通とする、そんな間柄。親はみんなそういう常識を好むものではないのだろうか?

「まぁ、そう思う人が大勢でしょうけどね。子供の幸せを願うって所は一緒だと思うわ」

なのはがうらやましいと思った。私にはそうして想いを寄せてくれる親はもういない。教えてくれる母親は、もう顔すら覚えてはいなかった。



でも、このまま、半ば勢いで告白したようななのはの想いをそのまま受け取る事はためらわれた。どうして?と桃子さんに聞かれて、上手くは説明できなかった。だけど


「なのはの想いが勘違いだなんて思いたくはないです。だけど、なのははまだ13歳です。私も自分の事大人だなんて思ってないですけど、それでもなのはよりはきっと自分の気持ちをちゃんと理解してる。私はなのはが好きです。それはなのはを抱きしめたい、キスしたいって思う「好き」なんです。・・・あ、えっと、そのごめんなさい。こんな事桃子さんに言う事じゃないと、思うんですけど、その・・・」

言ってしまって慌てた。私は何て事を桃子さんに言ってるんだろう。火照る頬を両手で挟みながら恥かしさに俯く私に、桃子さんはくすくすと笑うだけだった。











結局予定通り私は下宿屋高町を出た。けれどそれはこれから先の事を真剣に考えたから。桃子さんには固いんだからって呆れられたけどね。そんな私は一つだけ桃子さんにお願いをした。とても我侭なお願いだ。だけど桃子さんは笑ってそれを快諾してくれた。






























「なのは・・・・」

まだ眠ったままのなのはの頬に触れてみる。

「なのはのお母さんは凄い人だよね」

当時の事を思い出してつい笑みが零れた。



あの日、私は相当無茶なお願いをしていた。いま思えばよくもまぁそんな事を言えたものだと身震いすらしてしまう。




『もうこの家に下宿人を置かないで下さい』




どんどん綺麗になっていくなのはが私以外の人と同じ屋根の下で暮らすというのがどうしても許せなかった。ならわざわざ出て行かなくてもと言われたけれど、それとこれとは違うんだ。

下宿屋を営んでいる人たちに下宿人を取るな、等と。死活問題にもなるお願いを二つ返事で聞いてくれた桃子さんには本当に感謝していた。その代わり、と桃子さんに告げられた約束事も大変なものなんだけどね。













「好きだよ、なのは」

いまはまだ眠るなのはに告げるだけ。夢の中でそれを感じてくれればそれで良い。


だけど時期が来たら、今度は私から想いを伝えようと決めていた。それは多分そう遠くない未来。





その時、キミはどんな顔をするのだろうか?


驚いて泣き出してしまうかな?


それとも嬉しくてはしゃいじゃう?










その時の事を思い描きながら明日は一緒に映画に行こう。



これはサプライズなんだよ?



ねぇなのは。








とても甘いラブストーリーなんていいと思うんだけど、もちろん、好き・・・だよね?







スポンサーサイト

テーマ:魔法少女リリカルなのはStrikerS - ジャンル:アニメ・コミック

  1. リリカル パラレル
  2. | comment:0
<<お返事♪ | top | お返事ですぅ>>


comment

comment


管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。