好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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再投下するにはタイトルが必要だろうか・・・ :: 2012/11/06(Tue)

こんばんは。
色々と手を出してにっちもさっちもいかなくなりつつあるほのかです。
ごきげんよう( ´∀` )。


そんな訳で(;´-`)。oO(ぇ・・・)

想い~はまだちょびっとです( ・`ω´・)○)`Д)・∵.ドカッ。

なのでサルベージに参上しました(;^ω^)。
で、ここからは40000hitお礼文章なんですが、これはもう
2回くらいに分けたらいいかな、って言う感じです。

タイトル、あった方がいいかな・・・。
まぁ、追々考えます←
とりあえず前編って事で。



続きから、見た事のある文章です。







■ □ ■ □ ■ □


「おやすみ、なのは」
「うん・・・・ねぇ、フェイトちゃん?」
「ん?どうしたの?」
「ぁ・・・・ぅぅん。なんでもない。おやすみなさい」
「ホントに?」
「うん、ちょっと呼んでみただけだから」
「へんななのは・・おやすみ、なのは」


そう言って私はなのはに背を向けて目を閉じた。意識が完全に落ちてしまう直前、なのはが何かを呟いていたように思ったけれど、それが私を眠りの縁から連れ戻す事はなかった。




翌朝。


いつもの時間に目覚めてなのはがいるだろうキッチンへと足を運んだ。けれどそこは何故だかいつもと違う感じがして・・・。テーブルにはいつものように朝食が用意されていたし、スープだってコンロにかけられたまま。これと言ってどこが違うのかと言えば何となくとしか答えようがないのだけれど。

「なのは?」

そんな気持ちを振り払うように私は彼女の名を呼んだ。




「あれ?なのは?」

私が家にいる朝は呼べば返事を返してくれて、おはようのキスを交わしているこの時間。なのに帰ってくるのは静寂ばかりだった。

「朝早いなんて聞いてなかったけど」

もしかしたら、緊急の任務が入って寝ている私を起こさないようにして出かけて行ったのだろうか。そうだとすればどこかにメモがあるはず。そう思って私は朝食が並んでいるテーブルへと近づいた。



確かにそこにはなのはが書いたメモが一枚あった。けれどそれは私が想像していたような内容のメモなんかではなかった。




「なのは!!」

私は慌てて寝室へと戻りクローゼットを開ける

「・・・・・ない」

なのはがこの部屋へやって来た時に持ってきたキャリーバックがなくなっていた。それはなのはが長期の任務にも持って行くものだったから、あのメモはなのはのちょっとした意地悪で、本当は急遽出張の任務が入ったのでは?という僅かな望みが脳内を掠める。けれどそれは直ぐに否定された。

クローゼットにはいつも私の執務官の制服の他になのはの教導隊の制服が予備を含めて3着並んでいた。けれど今はその全ての制服がなくなっている。そして私がなのはにプレゼントしたもの以外のなのはの私物が全てなくなっていた。


「なのは、どうして・・・・」

床にへたり込む私の脳内に昨日のなのはの言葉が蘇る。

「あれは、夢なんかじゃなかった?」




『こんなに近くにいるのに一人ぼっちみたいだよ』




一体、いつから私達の距離は離れていっていたのだろう。いや、今でも私は離れてなんていないと思っている。だけどなのはは違ったんだ。








『おはよう、フェイトちゃん。
顔を見てしまうと決心が鈍ってしまいそうなので、
手紙にしました。ごめんね、フェイトちゃん。
私もうフェイトちゃんと一緒にはいられない。
これは全部私の我侭です。私の事は忘れて下さい。
今までありがとう。さよなら
                 なのは』














なのはと別れてから3ヶ月が過ぎた。あの日から私は何度もなのはと連絡を取ろうと試みた。けれどあの日からなのはは3週間という長期の教導のため異次元世界へと赴いていた。しかも今回は新しいデバイスの開発サポートと兼務と言う事もあって任務地は極秘、当人との連絡も緊急時以外は厳禁とされていた。もちろん私達の事情が緊急と判断される事などなく私はただなのはがミッドに戻ってくるのを待っている事しか出来なかった。

はやてからの情報で明日にはなのはが戻ってくると聞かされた前日。今度は私の方に極秘の任務が入ってしまった。しかもそれはどれ位かかるか分からないと言う。



執務官



それが私の仕事だ。昼夜問わず呼び出されればいつだってそれに応じなければならない。はっきり言ってこの仕事は厳しい。見たくない現実に何度も膝が折れそうになった。けれどそれでもこの世界から犯罪がなくなる手助けが出来るのなら、それだけでこの仕事をしている意味があるとそう自分を奮い立たせてきた。そして私にはなのはがいた。

なのはの住むこの世界が少しでもよくなるのなら、私はどんなに厳しく辛い仕事でも、それで少しの間なのはに寂しい思いをさせてしまっているとしても、いつかやって来るだろう2人の幸せな未来の為に、どんな任務でもこなしてみせるとそう心に誓った。


けれど、なのははその寂しさに耐えられなかった。だから、あんな風に置手紙を1つだけ残して私の前から去ってしまったんだ。


なのはをただ待つ事しか出来なかった3週間で私は、私がなのはに与えてしまっていた寂しさを知った。

「無茶はしていないだろうか?」
「ちゃんと食事はしているのか?」
「睡眠は充分取れているんだろうか?」
「新デバイスの実験は危険ではないのだろうか?」

考えるのはいつもなのはの事だけ。ただなのはの無事が知りたかった。無事な姿をひと目だけでも見たかった。





もういい。もう止めよう。なのはは私といても寂しい思いをするだけだ。そんな風にしてしまったのは他でもない私だ。忘れなければいけない。忘れよう。何度も何度もそう心の中で繰り返した。















極秘でしかも期間は未定。こんな任務が楽な筈はなかった。けれど今の私にはそれが有難かった。陽が高い間は犯人の捜索、場合によっては戦闘。艦に戻れば報告書の作成と今後の捜査方針の打ち合わせ。僅かな時間を縫って食事と睡眠はとっていると補佐官に思い込ませながら、私は意識のある間はずっと身体を動かし続けた。


本当に限界が来た時は、執務室に備え付けられていた簡易ベッドに倒れこむようにして意識を飛ばした。結局そうでもしなければ、眠る事なんて到底出来なかった。心に少しでも余裕が出来ればなのはを思い出してしまうから。思い出せばもうそこから動けなくなるのは目に見えていたから。


こんな風になって初めて気が付いた。私が私でいられたのはなのはがいたからだ。なのはを近くに感じていられたからだ。一緒にいる時間をもっと大事にしたら良かった。休日が重なった時は2人でデートでもしながら、たまには外で食事をしたり。付き合って最初の頃はずっとそうしていた事を、日が経つにつれて私はいつでもいけるからとなのはとの時間を後回しにしてしまった。





こんな無茶な事をしていればいずれ身体にも精神にも限界はやって来る。そして危険と隣り合わせの仕事をしている私達にとって僅かな隙が命を落とす事になりかねない。




「ハラオウン執務官!!」

部下の叫びに私は慌てて体勢を立て直す。けれど相手の攻撃の方が一瞬早かった。頭から振り下ろされる斬撃を私はシールドを張る事すら叶わずそれをただこの身で受けとめた。


(なのは)


意識が途切れる直前、脳裏に浮かんだのは泣きそうななのはの顔だった。

(私は、キミにそんな顔しかさせられないんだね。ごめん)


これで本当にさよならだと、私は死を受け入れた・・・・・。










ーーーどうして、フェイトちゃん


「ん・・・・ここは?・・・」

誰かに頬を撫でられていた様な気がして、目が覚めた。

「なん、だ・・・・私は生きてる、んだ」

死んでもいいと思っていたのに、結局私はこうして生き残っていた。ホッとする自分がいる事に酷く苛立ちを覚えた。

(生きている意味なんて、もう・・・)

身体が動かないので視線だけを彷徨わせて部屋の中を確認する。どうやら艦の中の医務室ではなく病院にいるらしい。あの場で処置出来なかったほど私の状態は危なかったんだなと理解した。と同時に人は簡単には死なないものなんだなと違った意味で感心した。

 
その後部屋へ戻ってきたはやてがシャマルを呼びつけ、医師達が数人この部屋にやって来た。口々に言っている驚きの声を聞くと本当に私は危なかったらしい。

(単に私が頑丈だったって事かな)

おおよそ、それらしくない事を考えた。医療関係者が立ち去って、病室には母さんとはやて。クロノはまだ任務から戻れていないそうだ。時刻はもう深夜だと言うのに相変らず忙しい人だ。

「クロノも心配していたから。叱られるのは覚悟しなさいね」
「ぅっ、あまり嬉しくないけど・・・仕方ないね」
「あほか。目一杯叱られたらええんよ。ほんまに無茶しよってからに」
「はやて・・・ごめん」
「なぁ、フェイトちゃん・・・」
「何?」
「・・・・いや、何でもない。もう帰るから少しゆっくり休むとええよ」
「そうね。私も一度戻るわ。直ぐに帰ってくるけど一人で大丈夫?」
「心配しなくていいよ。医局にはシャマルもいるし」
「苦しかったり、痛みがあったりしたらちゃんとナースコールせんといかんよ?」
「うん、分かってるから。心配性だなぁ」
「あほぅ!誰のせいやと」
「うん、そうだね。ごめん」



二人が病室を出て行くと、室内は一気に静寂に包まれた。私に取り付けられたままの何かの装置がピッピッと規則正しい音を発するだけで他には何も聞こえない。眠ろうと目を閉じるけれどやっぱり眠る事なんて出来なくて。


身体が思うように動かせないから寝返りを打つことも出来ない私は、ただ窓から真っ暗な外を眺める事しかできなかった。

「あれ?」

ふとサイドボードに置かれている携帯に気がつく。今ではもう使う事のなくなった携帯電話。それを何とか手にとって開く。この携帯はなのはとプライベートで連絡を取る為だけに購入したものだったから、別れてしまった今となってはもう持っていても意味などなかった。なのに肌身離さずそれを持っていたのは、幸せそうに笑うなのはがいたから。壁紙に設定された一枚は2人の想いが通じ合った時に取った一枚。一番幸せだった時のものだ。2人の笑顔がとても印象的な一枚だった。自分にはもう二度と向けられる事のない笑顔だった。


「ぅっ・・くっ・・・・なの、は・・・な、のは・・・なのは」

我慢していたものが少しずつ零れ落ちてくる。想い出されるのはなのはと過ごした日々の事。最後だから、もうこんな弱音ははかないから。そう心に誓って口を開く。



「何度も、何度も忘れよう。忘れなきゃって思ったんだ。だけど気がつくといつもなのは、キミの事を思い出してしまう。覚えてるかな、私が付き合って下さいって告白した時の事。あの時の恥かしそうに、でも嬉しそうに笑ったキミの笑顔が忘れられないよ。休みの日は映画を見たりショッピングにも行ったね。初めてキスしたのは私の車の中だった。海に沈む夕日を見ながら。あの時のなのは、とても綺麗だったよ」

誰もいない病室で、大切な彼女を忘れる為の言葉。想いとは裏腹に紡がれる言の葉は慈愛に満ちていた。もっと早くキミの寂しさに気がつけば良かった。もっとたくさんキミに笑って欲しかった。私がキミを幸せにしたかったよ。


「な・・・・・会いたいよ。キミに・・・・・」


もうその名前は口にする事が出来なかった。でも、それでも


「もう一度、キミと・・・・・」


カタン


「え?だれ?」


本当の想いを口にしかけた時病室の入り口付近で小さな音が聞こえた。こんな時間に誰かが面会に来るはずはなかったからもしかしたら看護婦さんかもしれない。独り言聞かれちゃったかな。そんな事を思いながらもう一度口を開きかけた時。カーテンが僅かに揺れた。


「うそ・・・・どうして、ここに」


カーテンを静かに引いたそこから現れたのは、3ヶ月前別れたはずのなのはだった。









あの時の自分の決断は本当に正しかったのかと問わない日は一日だってなかった。





終わりにした日から3週間、私はデバイスの開発サポートも兼務した教導の為異次元世界に出張していた。内容がデバイスの開発だけに極秘扱いとなり外部との連絡は緊急時以外は完全に遮断された。正直少しだけホッとした。まだ自分の気持ちも揺れているような状態でフェイトちゃんに会ってしまったら・・・・。

どちらにしても同じ本局勤務。もう友達として会うことはなくなったとしても、その姿をどこかで目にする位はあるだろうと私はそんな風に考えていた。けれどまさか自分がミッドに帰還したのとほぼ同時にフェイトちゃんが極秘任務につくだなんて考えもしなかった。しかも期間は未定だと言う。


胸騒ぎが収まらなかった。これまでなら例え極秘扱いだったとしても、定期的な連絡だけは耳に入ってきたから、それなりに安心していた。けれど、こうなってしまった今、私にフェイトちゃんの安否を確認する手段は全くと言っていい程なかった。









車を走らせる。行き先は決めていなかった筈なのに気がつくと私は2人で初めてキスをしたあの海に来ていた。もう海で泳ぐ季節も過ぎているので人はまばらだった。私は何をするでもなくただ海に沈む夕日を眺めていた。



あの日、あの時。
もっと違う方法があったんじゃないのかな。あんな風に一方的に、眠っている彼女を残して私は逃げるようにしてあの部屋を後にした。幸い寮に空きがあったから、住む場所には困らなかったけど。


いっそフェイトちゃんの事を嫌いになれたら、どんなに楽になれるんだろう。そう考えてしまう自分が嫌だった。私が楽になんてなっていい筈がない。きっと今でも私はフェイトちゃんを苦しめている。なのに自分だけが楽になろうだなんて。

やっぱり私は今でもフェイトちゃんが好き。大好き。ねぇどうしたらいいの?一緒にいる時も寂しくて苦しかったのに。会う事を我慢している今の方がもっとずっと胸が痛いんだよ?


海に沈んでいく太陽が滲んで見える。気がついたら私は泣いていた。私にまだ流れる涙なんてあったんだと、少し笑った。あの日、フェイトちゃんの部屋を出て、これ以上はもう涙も出ないだろうって位泣いたのにな。




そんな時だった。1本の通信が入る。緊急を知らせる点滅に私はゾワリとしたものが背筋を這い上がってくるのを感じた。ダメだ。見たらいけない。これはきっと良くない知らせだ。だから・・・・。


けれど、私の指は震えながらもモニターを開く操作をしていた。





「なのはちゃん!!」

親友の顔が青ざめていた。これだけでもう何が起きているのか理解した。


「フェイトちゃんが、フェイトちゃんが!!」






その後の事は殆ど覚えていない。気がついたら私は一人フェイトちゃんのいる集中治療室にいて、酸素マスクをつけて今だ意識の戻らないフェイトちゃんをぼんやりと見下ろしていた。


3ヶ月だった。会わなかったのはたった3ヶ月。これまでだって長期の任務でその位会えない時もあったけど、でもこんなにやつれたフェイトちゃんを見る事になるなんて思いもしなかった。

全く身動きもしないフェイトちゃんが生きているって事を確かめたくて、躊躇いながらもその頬に触れてみた。

(あたたかい・・・)

体温を感じる事が出来た瞬間、止め処なく涙が溢れてきた。



「どうして?フェイトちゃん」


こんな私の事なんて忘れてしまえば良かったのに。恨んでくれれば良かったのに。ごめんね、フェイトちゃん。本当にごめんなさい。

「やっぱり私はフェイトちゃんの傍にはいられないよ・・・」



私は静かにその場を後にした。












どうして神様はあんなに酷い事をした私に罰を与えるのではなくフェイトちゃんに与えたんだろう。フェイトちゃんは何も悪くない。彼女はいつだって私の事を考えてくれていた。忙しい合間にもちゃんと帰ってきてくれたし、任務の時だってちゃんと連絡をくれた。ただ私が寂しさに負けてしまっただけだ。それなのに。


寮に帰る気にもならず、私はただぼんやりと空に浮かぶ月を見ていた。



「こんなトコにおったん」
「・・・・はやてちゃん」

やって来たのは私に通信をくれた親友。

「フェイトちゃんの意識がもどったんよ。さっきメールも送ったんやけど、その様子やと見とらんようやね」
「ごめん。でも・・そっかフェイトちゃん意識が戻ったんだ」
「会いに行ってやり」
「・・・出来ないよ」
「何で?」
「フェイトちゃんをあんな風にしてしまったのは私のせいだから。今更・・・・」
「あほ。違うやろ?確かに2人離れてしまったんが原因かも知らん。けど、それでもフェイトちゃんは執務官として任務に就いとった。なら私情は挟んだらあかん。執務官いう仕事がどれ程厳しいものかフェイトちゃんが一番よく知っとるはずなんやから。体調管理を怠ったフェイトちゃんにかて責任はある。なのはちゃんだけが悪いわけやない」
「はやてちゃん。でも・・・・」
「グダグダいわんと、さっさと行き!」

そう言って背中を押された。

「言っとくけど、このまま逃げたらなのはちゃんとは絶交やからね」
「・・・それは、いやだな」
「なら、ちゃんと行ってフェイトちゃんの無事をその目で確かめてきぃ」
「・・・・・はやてちゃん」
「なんや」
「ありがとう」
「あほ、はよ行き」

心強い親友の後押しに、私はもう一度病院へ戻る決心をした。










戻って来たはいいけれど、時刻はもう深夜に近かった。こんな時間なら多分フェイトちゃんだって眠ってるよね。そう思ったから、顔だけ見て帰ろうと思った。病室の前まで行ってそっとドアを開け中に滑り込むようにして身を躍らせた。ベッドの前にはカーテンが引かれていてここからフェイトちゃんの顔を見る事は出来ない。もう少し近づこう、そう思った時名前を呼ばれた。

(っ!)

一瞬気が付かれたのかと思ったけれど直ぐにそうではない事に気付く。何度も私の名前を呼ぶその声があまりにも悲痛な叫びに聞こえて、思わず声が漏れそうになって慌てて両手で口を塞ぐ。

(フェイトちゃん)

どうしていいのか分からなかった。戻ることも進むことも出来ずその場に立ち尽くした。するとフェイトちゃんが何かを話し始めた。それを聞いてまた私は涙を流した。



それはまるで懺悔のようにも聞こえ、また愛の告白のようにも聞こえた。


嗚咽が漏れそうになってその事に気を取られすぎて足元が散漫になっていた。僅かに動いた足が近くにあった椅子にぶつかった。


カタン


小さな音だったけれど、静寂が支配していたこの部屋には言の他大きく響いた。


「誰?」


息を飲むフェイトちゃんの声に、動かなかった筈の私の足は前に向かって進んでいた。








カーテンを静かに引いてその奥にいるフェイトちゃんと三ヶ月ぶりに対面した。何を話していいかわからず、そしてちゃんとフェイトちゃんを見る事もできず、俯く私にフェイトちゃんは、小さく一言、ごめんと呟いた。

「ち、ちがう 。謝るのは私の方だよ」

そう言う私にフェイトちゃんはただ静かに首元を横に振った

「なのはにそんな顔をさせるつもりなんてなかったのに。ごめんね。もう大丈夫だから。こんな怪我なんてすぐによくなるよ。もうなのはが私の事でツライ思いをしなくてもいいから、だからね」

こんなにもやつれ、そして疲れた顔をしているのに一体どうしたらすぐに良くなると言うその言葉を信じられるというのか。フェイトちゃんはきっと私に心配をかけまいとまた無理をするに違いない事はこんなにもわかってしまうというのに。


フェイトちゃんの気持ちはもう受け取ってしまった。私はまたそれを手放す事などもう出来そうにない・・・


「あのね、フェイトちゃん」
「ん?」
「聞いて欲しい事があるの」
「…うん、それでなのはの気がすむのなら」
「……私ね今日あの海にいたの」
「うん」

たった今フェイトちゃんの想いを受け取った。今度はフェイトちゃんに私の気持ちを伝えたいと思った。

「最初はね、忘れなきゃって思ってた。忘れて前に進もうってそう思ってた。でもね、そう思えば思うだけフェイトちゃんと過ごした日の事を思い出すの。そうすれば寂しくて辛くなる事なんて分かりきっていたのに」

止める事など出来なかった。寂しさに負けてあの部屋を出たけれど決してフェイトちゃんを嫌いになった訳ではなかったのだから。

「離れてしまってもどこかで元気な姿だけは見れるって、同じ本局にいるんだから大丈夫って心のどこかで思ってたのに、気がついたらもう3ヶ月もフェイトちゃんに会ってなかった。会えないって思ったら今度は凄く会いたくなった」

ずるいよね。そう言った私にフェイトちゃんは小さく首を横に振った。

「そんな事を考えてた時だった。はやてちゃんからフェイトちゃんが任務で怪我をしたって聞いたのは。一瞬で全身から血の気が引いた。足が震えてその後はやてちゃんが何を言ってたのかも覚えてないくらいだよ」
「ごめん」
「謝らないで・・・・ただ無我夢中だったと思う。こんなに恐怖を感じた事なんてなかったくらい怖かった。元気でいてくれさえすれば、どこかで偶然会えるかもなんて思っていた自分の事を殴ってやりたいとさえ思った。そして、こんな風に私の目の前からいなくならないでって、そう思ったの」
「なのは・・・」
「フェイトちゃん、私ね・・・あの・・・」

肝心なところに来て言葉が詰まる。けれど、伝えたい。私の想いを。そして出来る事なら・・・・

「・・・もう一度フェイトちゃんとやり直し、たいの」
「え?・・なのは?」

フェイトちゃんの声が一瞬震えた。

「もう私の、知らない・・ところで、こんな風にフェイトちゃんが怪我を、するのを見たくないの。謝れって言うのなら何度だって謝るよ。償えって言うのならどんな事をしても償っていく。だから・・・お願い、し・・ます。私ともう一度・・・お付き合いして、下さい・・・・」

最後は涙でフェイトちゃんがちゃんと見えなくなっていた。嗚咽を抑える事が精一杯でもう口を開く事も出来ない。けれどフェイトちゃんは何も言ってはくれなかった。

「ごめ「どうしよう、なのは」え?」

沈黙に耐え切れず私はごめんと謝ってここから立ち去ろうとしたその時。フェイトちゃんが小さく呟いた。

「どうか、したの?」
「なのは」
「はぃ」
「嘘じゃないよね?」
「え?」
「さっきの言葉」
「あ・・・・その・・・・うん」
「どうしよう。なのは」

さっきと同じ言葉を繰り返すフェイトちゃんにどうしたの?と尋ねると

「なのはの事、抱きしめたいんだ。なのに身体が動かない」
「ば・・・ばか。そんなの治ったらいつだって・・・」
「それじゃあダメなんだ。いつでもいいんじゃなくて。今、なのはを抱きしめたいんだ」

フェイトちゃんの気持ちがわかって嬉しくなった。ずっと一緒にいるのだからといって、いつでも出来る訳じゃない。むしろ一緒にいるからこそ、今出来る事を後回しにしちゃいけない。私はそっとベッドへ近づいてフェイトちゃんの手をとった。

「腕、動く?」
「少しなら」
「それじゃあ」

片方の腕を取って私の首に巻きつけた。そのままフェイトちゃんに体重をかけないように身体を倒してていく。ちょっと窮屈だけどちゃんとフェイトちゃんに抱きしめて貰えてるって、そう思っていたのに

「足りない・・・」
「え?」
「もっと、ちゃんと、くっ付いて」
「でも」
「平気だから、お願い。なのは」

そんな風に言われたらダメ、なんて言えなかった。けれどその体勢はやっぱりちょっと窮屈だったから、フェイトちゃんに断ってフェイトちゃんの隣に身体を滑り込ませ、少しだけその頭を持ち上げながら私の腕をフェイトちゃんの首の下に滑り込ませた。

「えっと、今日の所はこれで我慢してくれる?」
「私がしたかったけど、仕方ないよね」
「朝までこうしているから、眠って?フェイトちゃん」
「うん、ありがとう。なのは」
「お礼を言わなきゃいけないのは私の方だから。ありがとうフェイトちゃん」



3ヶ月ぶりに会った私達は、またこうして一緒に歩いていく道を選びました。




















朝、病室にやって来たシャマルに叱られたのはまた別の話し。













拍手文を掲載したときに注意書きしてたんですけど、
これはとあるグループの楽曲が元になったお話です。
元に、というか、私の勝手なイメージですね(笑)。

とても耳に残る歌で、何度もリピートしてました(笑)。


今日は前半。多分明日には後半部分も、うp出来ると思うので
また後日お会いしましょう(笑)


ここまでたどり着いてくれて♪感謝☆(人゚∀゚*)☆感謝♪












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