好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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恋人は・・・・ :: 2011/02/23(Wed)

第4話です。辛い事も信じていれば乗り越えられる。


切ないけど、それでもいいよって方は続きからどうぞ




「なのはちゃん!!なのはちゃんって!!」

どれくらい歩いたのだろうか、はやてちゃんに腕を引っ張られ名前を呼ばれてようやく足を止めた。呼吸が荒い。胸が・・・・・・・痛い。


「何があったんよ?ちゃんと話して。」
「・・・・・・」
「なのはちゃん!!」


はやてちゃんに問い詰められて、私は少しずつ話し始めた。昨日フェイトちゃんのお兄さんが来た事。フェイトちゃんが仕事をすっぽかした事。そして、恋愛ごっこだと言われた事。


「私ね、何も言い返せなかった。フェイトちゃんと一緒にいる時間が楽しくて、幸せで、その先の事なんて何も考えてなかったから」


だけどね、気が付いちゃった。今だけじゃダメなんだって。もっと先の事から目を背けてちゃダメなんだって。今はまだ私は学生で、フェイトちゃんだってモデルの仕事をしているとはいえまだ15歳。世間一般に考えても責任ある大人とは言えない。

それにね、となのはは続ける
「私たち、女の子同士なんだよね。自分達がよくても、世間はそれを奇異の目で見る。そんな時私はフェイトちゃんをその中で守っていく自信が・・・・・ない」


「今はまだいいよ、それでも。だけどいつまでもフェイトちゃんを守ってばかりだと必ず亀裂が生まれる。そこから零れ落ちていくものを防ぎきるだけの想いがまだ私にも、そしてフェイトちゃんにもないの。私はね、はやてちゃん。フェイトちゃんと2人で、どっちかが先に行くんじゃなくて、並んで一緒に歩いていきたいの」
「なのはちゃん、フェイトちゃんの事・・・・」
「・・・・うん、大好きだよ」


だから今は一緒にいない方がいい。
そう言って笑ったその瞳から涙は止まらない


「なんで、そんな苦しい事しようとすんの?、フェイトちゃんが辞めたいって言うならそれでもええやん!」
「けど、辞めてどうするの?フェイトちゃん15歳なんだよ。一度そうやって思い通りにならないからって投げ出してたら、その後だって同じ事を繰り返す。今は一緒にいられる時間が増えるから楽しいし幸せかも知れない。私もそうなったら、きっとフェイトちゃんを精一杯守っていく。だけどそれだと、いつか重荷になる時が必ずくるんだよ。そんなの、私は嫌だから。」


大丈夫、フェイトちゃんならきっと気づいてくれるから。そう信じてるから。あの子が私を想い続けてくれた9年間、それには及ばないけど、私も今は同じ気持ちでいるんだから。



「・・・・・けど、フェイトちゃんがそれでも気がつけへんかったらとないすんの?」
「そうだね、その時は・・・・・泣いちゃうかな。」
「・・・・ホンマにアホやね。」
「にゃはは、そうだね」




ごめんね、はやてちゃん。心配ばっかりかけてるね。そういったら、親友冥利につきるからええよって笑ってくれた。ホントありがとう。






















なのはちゃんとフェイトちゃんが会わなくなってから1ヶ月。雑誌やテレビでフェイトちゃんを見ない日はなくなっていた。

「ホンマに人気者になったんやね」

ポツリと呟きながら、一つの記事を見つけた。


『フェイト・T・ハラオウン世界へ 専属モデルに決定』


記事を何度も読み返す。世界を巡ってファッションショーを開催するイベントの専属モデルにフェイトが選ばれていた。日本のみの開催ではなく世界中をまわる為、最低でも1年間は各国を回ることになるとある。


「そんな・・・・1年ってそんな事」


私は駆け出していた。なのはちゃんを学内で見つけて問いただす。

「なのはちゃん、知っとったん?」
「・・・・何が?」
「これ・・・・」

私が差し出した雑誌を見て、微笑む。

「・・・・決まったんだね。良かった・・・・」
「何で、笑ってられるん?日本におるんやったらまだどっかで会えるかもしれんのに、海外ってしかも最低でも1年って、そんなん・・・・」
「はやてちゃん、ありがとう。ごめんね、心配ばっかりかけて。でも私は平気だよ。大丈夫。」
「・・・・・なのはちゃん」


なんで笑ってられるんよ。本当は泣きたいくらい辛いはずやのに。なんでそんな苦しい方を選ぶんよ。なのはちゃん・・・・・。



















「フェイト、忘れ物はないか?」
「うん、大丈夫だよ。クロノ」
「そうか、出発まではまだ時間があるから、軽く食事でもするか?」
「・・・・・ううん、ねぇクロノちょっとだけいいかな。友達が来てるから」
「・・・・・・ああ、分かった」


私は、クロノに断って席をはずした。向かう先には


「はやて・・・先生」
「久しぶり・・・・やね」
「よく、分かったね。」
「アリサちゃんに頼んで調べてもらった。アリサちゃんえらいトコのお嬢さんなんよ」
「そう・・・なんだ」
「・・・・・・」
「・・・・・・・なのはは元気?」
「そんなん、今のフェイトちゃんには関係あらへんやろ」
「・・・そう、だね。それになのはには、はやて先生達がいてくれるから大丈夫だね。」
「・・・そうやね」
「・・・・・」


沈黙が落ちる。


「・・・・・・なぁ、なんでなのはちゃんを置いて行ってまうんよ」

はやてが話し始めた。

「・・・・・」
「もう、なのはちゃんの事はどうでもええの?」
「そんな事ないよ。今でも、大好きだよ」
「なら、なんで?」

その質問には答えず、フェイトは話し始めた。

「なのはってさ、優しいでしょ。それに怖がり。子供には優しくて自分には厳しいの。それから頑固。自分で決めた事は絶対に最後までやり遂げないと気がすまない。だから時々無茶をしてみんなに心配かけるんだ。」
「・・・・・・」

はやてはただじっとフェイトの言葉に耳を傾ける。

「今回もそう。なのは自分で納得して、自分で決めちゃった。もう私に嫌だって言う隙をくれなかった」
「それはっ!!」
「うん、わかってるよ。全部私の、私達のこれからの為」
「・・・・」
「なのはに、もう会わないって言われたあの日にね。2人と別れた後、私クロノに怒鳴り込んだんだ」



『クロノ!なのはに何か言ったでしょ』
『何の事だ』
『なのはが・・・・なのはがもう会わないって・・・・』
『・・・・そうか』
『そうかって、一体なのはに何を言ったの?どうしてそっとしておいてくれないの。私はただなのはといたいだけなのに』


「そしたらね、いつまで甘えてるんだって怒られた。いつまでなのはに守られてばかりいるんだって。」
「・・・・・・」
「なのはね、たくさん嫌な事あったんだ、けど私はそれを知らなかった。なのはが何も言ってくれなかった事が凄くショックだった」
「っ、それはフェイトちゃんに心配かけたくなくて!」
「なんだ、知ってたんだね。じゃあアリサさん達も知ってたんだ。私だけが知らなかった。私だけがただ守られて・・・・」
「私ね、モデルの仕事なんて本当にどうでも良かったんだよ。なのはに会えなくなる事の方が私には辛かったから」
「あの日、散々泣いて、このままなのはと一緒にどっか行ってしまえばいいんだって考えた。考えて、それからどうしようかって思ったんだ」
「そしたらね、その後が分からなかった。ただなのはに守られて、なのはに縋っている自分しか思いつかなかった。ゾッとしたよ。怖くなった。」


フェイトはただ静かに話し続ける。はやてもまた静かにその話を聞き続ける。


「私は、なのはに守って欲しくて一緒にいたいわけじゃないんだ。ずっと一緒に歩いていきたいから、この先一生なのはと共に生きたいから。だから私もなのはを守れるくらい強くならなきゃいけないって思ったんだ。」
「なのはと私の7歳の年の差はどうしたって埋らない。その事を悔いても前には進めない。年が埋らないのなら、心が追いつけばいい。そう考えた。何が起こっても、何を言われても揺るがない心を育てようと思ったんだ。」
「私は、間違ってるかな?」
「・・・・・そんな、事・・・・・あらへん」
「ありがとうはやて先生。」
「私はね、なのはが好きだよ。それは今も、これから先も変わらない。そしてなのはもそうだって信じてる」
「随分、自信があるんやね」
「・・・・・なのはね、最後に「じゃあね」って言ったでしょ?」


会わないと告げられ、子供だと言われた別れ際、なのはは「さよなら」ではなくて「じゃあね」と言った。あの時はショックの方が大きくてすぐに気が付かなかったけど、後で分かったんだ。


『じゃあね、フェイトちゃん。またね』って。


「お母さんとお姉ちゃんを失くしたとき、死の間際にちょっとだけ話せたんだ。その時にね、ごめんね、さよならだよって言われた。大切な大事な人から言われるさよならって言葉が嫌いで、二度と会えない言葉のような気がして、ダメなんだってなのはにそう言ったら、少し考えてて、それからね」


『・・・・それなら、・・・・フェイトちゃん。じゃあ、またね』って、これなら次また会おうねって意味だからって言ってくれて。私たちはそれから別れ際にはじゃあまたねって言うようになったんだ。



「だからね、あの時のあの言葉は、また会おうって意味なんだよ」


そう言って笑ったフェイトちゃんのその瞳を見ていたら、なんだかとても穏やかな気持ちになった。なんや、2人ともおんなしやん。せやったらもう私に出来る事なんてなんも・・・・ない。


「けど、フェイトちゃんがおらん間に、私がなのはちゃんを攫ってまうかもしれへんよ」
「ふふ、大丈夫。なのはは私の事好きでいてくれるよ。信じてるから」
「そんなんわからんやろ?いつも傍におれるんやから。」
「傍にいなくてもちゃんと繋がってるんだよ私達。けれど、もしそうなってしまっても、絶対になのはは渡さない。また奪い返すよ。絶対だ」


そう言って笑ったフェイトちゃんはもういつものフェイトちゃんで


「たった1年、けれど1年もある。その間、どれ程成長できるかは分からない。でも、このツアーを成功させたら、私は、私達はきっともっと強くなっている筈だから。だから今は一人で頑張ってくるよ」
「・・・・・待っとるよ。なのはちゃんだけやなくて、私らもフェイトちゃんの事、まっとるから。」
「うん、ありがとう。」


なのはの事よろしくお願いします。そう頭を下げてフェイトちゃんは旅立って行った。1年後今よりもっと強く大きくなって戻ってくるために。





(なのは、行ってきます)

遠い空の上でフェイトは呟く










(フェイトちゃん、行ってらっしゃい)

蒼く高い空を見上げてなのはは送り出した













そして、1年後











ここまで読んでいただいてありがとうございます。
想像していたものと大きく違ったかも知れませんが
こう言う事もあるんじゃないかと思って書いてます。
まぁ、それでも次回はまたコミカルになってるはずです(笑)



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  2. | comment:0
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