好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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下げたものの代わりにね(笑) :: 2013/03/24(Sun)


フェイトさん高校生。なのはさんOLさん。


頂いたコメントのお返事は明日しまーす。







■  □  ■  □  ■  □



学校からの帰り、いつもと同じ電車のいつもと同じ車両に乗り込んだ私は、けれどいつもとは違う場所をあえて選んで腰を下ろした。

バックの中からウォークマンを取り出してイヤホンを耳に差し込む。再生ボタンを押せば流れてくる曲は私の一番好きな曲。静かに目を閉じて音楽にだけ集中する。地元駅までの数十分間、こうして過ごすのが私の毎日の日課だった。


電車が走り出してから数分。目の前に誰かが立った気配がして顔を上げる。あっ、と思わず声を出しそうになってぎりぎりでそれを堪えた。そんな私の様子に僅かに微笑んだその人は私の隣を指さして「いい?」と尋ねるが、こちらの返事を聞く前に肩が触れる位の近さでそこに腰を下ろしてしまった。

私はそんな彼女・・・なのはさんの行動が理解出来なくてただ黙って下を向いていると


「どんな曲聴いてるの?」
「え?あ、ちょっ・・何してるんですか?!っ」


ひょいと私の耳から自分に近い方のイヤホンを引っ張り、それをそのまま耳に差し込んでしまった。それほど長くないイヤホンの片側だけを引っ張られた私は自然ともう片方が抜けないように引っ張られた方へと無意識に身体を寄せていた。そのせいで隣に座る彼女の肩に触れてしまってドキリと心臓がはねる。


「あ・・・」
「何?」
「いえ・・・なんでも」
「そう?」


動揺しているのを悟られたくなくて、下を向いたまま返事は短いものになってしまう。だけど、間違いなく顔は赤くなっている筈。こちらを見られたらそれはもう隠しようがないのだけれど、彼女の方はそれ程気にならないのかイヤホンから聞こえる音楽に聞き入っていた。


どうやらイヤホンを返してくれる気はないらしく、諦めて私はもう片方のイヤホンをたった今抜き取られた方へと移し変える。出来れば今は話しかけられたくなくて、そのまま固く目を閉じ地元駅まで寝たふりをする事にした。



ガタンと電車が揺れるたびに肩が触れる。ふわりと揺れる栗色の髪からは柑橘系のシャンプーの香りが鼻孔を掠めていった。私は目を閉じてしまった事を今更後悔していた。肩が触れる位の距離に、ついこの間、意を決して告白した相手がいる。それだけでも動悸が激しくなってしまうというのに、目を閉じた事で敏感になっている感覚が常に彼女を意識してしまって胸が苦しかった。


まだはっきりと断られた訳ではないから悲観的に考えなくてもいいのかもしれない。だけど、なのはさんが好きなんですと打ち明けた時のこの人の困ったような顔があの日以来頭から離れてはくれなかった。いっそはっきりと断ってくれた方がこんなに苦しい思いもしなかっただろうに。





軽く触れているだけだった肩は少し前からしっかりと私と密着していて、あろう事かなのはさんの頭は今は私の肩の上にある。イヤホンからは相変わらず私の好きなアーティストの曲が流れ続けているはずなのに、耳に届くのは彼女の規則正しい寝息だけ。



(ねぇ、どうして?どうしてそんなに平気でいられるの?)



気が付けば電車はもうすぐ駅に到着する時間だった。胸が苦しくて油断すれば涙までもが零れてきてしまいそうになるけれど、なのはさんが目覚めてしまえばもうこの距離で触れる事もないのだろうと思うと、もう少しだけこのままでいさせて欲しいと、誰にともなく私は願っていた。










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テーマ:魔法少女リリカルなのはStrikerS - ジャンル:アニメ・コミック

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