好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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引き揚げよーーーーい! :: 2013/05/17(Fri)

これも続き、って言うか・・・終わらせないと、だよね(汗)






□  ■  □  ■  □  ■


【我守護スル者也 其の2.5】



「くっ・・・・」


久し振りに足を踏み入れたその地は、とても不快な気配に包まれていた。






「あ、クロノ?」
『戻ったのか?』
「うん、どこに行けばいい?・・・・・うん、うん・・・分かった。じゃあ、今から1時間後に」


そう言い終えると、フェイトは携帯を切り一度辺りを見渡す。今自分が立っているのは、この街の中心部近くにある公園だった。緑と癒しをテーマにしたらしいここは、至る所に木々が立ち並び、鳥の囀りや虫たちの鳴き声があちこちから聞こえてきていた。今日は雲ひとつない晴天で、テレビでは真夏日になるだろうとアナウンスされていたが、この場所は木陰が多く存在しているお陰か、通り抜けていく風がとても心地よかった。



「ここが、なのはの住む街・・・・・今度こそちゃんと護るから。なのはの幸せは誰にも邪魔はさせない・・・・」



いつか、あいつを倒すことが出来たなら。なのはにかけた封印を解いて、一緒に暮らす事を夢見た日もあった。その傍らで共に歩んで行けたならどんなに幸せだったろう。でも、私は決めた。例えこの身が滅んでしまったとしても、なのはが幸せならそれでいい。私の幸せは、なのはが幸せになってくれる事、だから。




ーーーーーそれであの子は幸せなの?



「っ!誰?!」


突然頭に『声』が聞こえたような気がした。意識を集中し辺りの気配を探る。けれど、感じるのは公園内で楽しそうに遊ぶ親子連れの温かい気の流れや、風に遊ばれ木々の葉が優しい音を奏でる気配しか感じ取る事は出来なかった。


「・・・・気の、せい・・・・かな?」


緊張のせいで身体に力が入りすぎているのだろうか。だから、あんな『声』のようなものが聞こえたのだろうか?。結局暫くそこに留まるも、声らしきものは再びフェイトの耳に届くことはなかった。



















「平気か?」
「はい、微弱な思念しか送り込みませんでしたから。多分気のせい、位にしか感じていないと思います」
「うん、それでええ。こっちに意識しすぎて集中力が途切れてもあかんからな」
「そうですね」
「ほな、シャマル。次は」
「フェイトちゃんの主の所、ですね?」
「せや、あんまり無茶はでけんけど、思い出すきっかけさえ生まれればそれでええから」
「はい」



フェイトの姿を遠くに見つめながら、夜天の王と癒し手が雑踏の中へとその姿を消した。
















「こっちだ、フェイト」
「ごめん、待った?」
「いや、そうでもない・・・・・・元気だったか」
「うん、この通り」
「そうか・・・・母さんに会っていく気はないのか?」
「ごめん。今はまだ会えない」
「・・・そう言うと思ったよ」
「・・・ごめん」
「・・・いや、いいさ・・・・全てが終ったら、その時に会えばいい」
「ぅ、ん・・・・そうだね」


久しぶりに再会した兄妹、兄は妹の嘘を見抜きながらもその口を閉ざす。妹は悟られていると知りながら兄に嘘をつき続ける。そんな2人を偶然見かけたのは当事者でありながら、そうとは気がつかずに護られ続けてきた魔を封ずる者の一族の長、高町なのは。





(あれって、クロノ君・・・だよね?)
(用があるって言ってたけど・・・あれってこの事?)
(一緒にいるの・・・彼女さんかな)


一緒に暮らす従兄弟には、ずっと浮いた話1つ聞いた事がなくて、冗談めかして本人に彼女は作らないのか、と尋ねても興味はないの一言で切り捨てられた記憶は、実は割と新しい。


(帰ったらからかってやろうっと・・・)


なのははクロノが本当は照れ屋だと言う事を知っていた。だから、興味がないと言う言葉もそれ程信じてはいなかった。自分の事ではないにしろ、身内に嬉しい事があったのだから、やっぱり私も嬉しいな。素直にそう思うなのはだったが、相手の女性の顔を見た途端、その表情が曇った。



(・・・・・私、彼女と何処かで・・・・)


ドクン!


(っ・・・)


心臓が一度大きく跳ねた。


(・・・・どう、して?・・・・彼女を見てると胸が・・・痛い)


「大丈夫ですか?」
「え?」
「どこか痛いんですか?」
「どう、して?」
「だって・・・泣いて・・・・」


声をかけてきたのは小柄な女性だった。彼女に言われて、私は自分が泣いていた事に気がついた。慌てて涙を拭う。けれど、どうしてだか涙は止まってはくれなかった。














もう平気ですから、ありがとうございました。と言葉を残して立ち去っていったなのはを見送りながらはやては口を開く。


「シャマル・・・」
「まだ、何もしてなかったんですけど・・・」
「そうか・・・・・・・・どんだけ記憶を封印されてても、ホンマに大事なモンはちゃんとここに残っとるんやね」


そう言って自分の胸に手をあてる。


「はよ、気づき・・・。そやないと、あんたの大切なモンに二度と会えんようになるよ・・・」



誰もいなくなった場所で、祈るように、はやては小さく呟いた。


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