好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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声を聞かせて :: 2013/06/14(Fri)

最近某雑誌で見かけたんですが、「貧乏神が!」って面白いんですか?
なんかあと一回で終わりのようなんですけど、おにゃのこが一杯いたような(笑)。

んで配信があるかどうか調べたらあるんですよね(笑)
紙媒体の本ももちろんいいんですけど、色々保管場所とかが
少なくなってくるとどうしてもね・・・。

ipadminiで持ち歩けるならそれもいいかなって。
ちょうど大きさもコミックス位だしね(笑)


さて続きから、久しぶりに「声をきかせて」書きました。
なかなか手ごわい2人です(笑)







□  ■  □  ■  □


「すれ違う想い」




「へぇ。やっぱりねぇ・・・ハラオウン先輩に・・・・・」





よく知るその人の名前を耳にしたのは、これからお弁当をその人達と食べる為に教室を出ようとしているときの事だった。


(今、ハラオウン先輩って聞こえたけど)


どこからだろうと教室を見渡すと、一人の男子生徒を囲んだ数人の女の子達が目に付いた。何だか妙に興奮しているように見えるその集団に、何とはなしに耳を傾けていると「うそぉ!」とか「マジで?」とか「やっばりね」とか言っていて。


フェイトちゃんの名前と、項垂れてる男子生徒と、それからその子達。多分私の勘は間違ってはいなくて、そんな見慣れた光景につい笑みを零したそんな時、いつもとは違った情報が私の耳に飛び込んできた。


「あんなに綺麗な先輩に恋人がいないはずないじゃない」
「恋人じゃない!好きな人だよ!」
「バカね、あんた。恋人だから好きな人って事でしょう?」
「そうとは限らないだろ。ただ好きなだけかもしれないし・・・」
「あんたも往生際が悪いわよねぇ。先輩の方があんたに気を使ったって事よ」
「そんな・・・だって・・・」


案の定、フェイトちゃんに告白して断られたらしい彼は、その理由に好きな人がいるからだと言われたようだった。よくある告白を断る為の常套句だ。けれど、私はその言葉を聞いて頭の中が真っ白になった。嘘だと思いたかった。でも直接言われた彼がそれをはっきりと口にしてしまっている以上、私にはその言葉が真実であったと認めるしか術はなかった。





フェイトちゃんに好きな人がいる。
そしてその人はもしかしたらフェイトちゃんの恋人なのかもしれない。





もちろん、告白されたのを断る為の口実と考えられなくはないけれど、フェイトちゃんが今まで「好きな人」を口実に交際を断った事は一度もない。自分に好きな人が出来たとして、自分の気持ちには正直でありたいから。それに自分と同じ気持ちで告白してくれた人に失礼だから。フェイトちゃんはそう言っていた。



「好きな人が出来たらそう言うよ。でも今はそんな人いないし、誰かと付き合いたいって思う事もない。だからみんなには、「今は誰とも付き合うつもりはないから」って言って断ってるよ」


そんなフェイトちゃんがアリサちゃんに、そんなまどろっこしい事してるから諦めきれないバカな連中が何度も押しかけてくるんでしょう?なんて呆れられていたのをよく覚えてる。だから、正直私はホッとしていた。まだフェイトちゃんは誰のものでもなくて、私はまだこうしてフェイトちゃんの傍にいて、その笑顔を近くで見ていてもいいんだって。




(フェイトちゃん・・・好きな人、いたんだ・・・)



いても不思議じゃない。
いない方がおかしい。
違う、そんなはずない。
私、聞いてないもの。
嘘、そんなの、嘘だ!!



同じ言葉が何度も何度も頭の中でループしていた。
















どこをどう歩いていたのか。気が付いたら私はちゃんとフェイトちゃん達と待ち合わせをしていた中庭にたどり着いていた。


(まだ、来てないのかな・・・)


4時限目の授業が長引いたりしているのだろうか?待ち合わせ場所にはまだ誰の姿もなくて、少しだけホッとした。


(フェイトちゃん・・・・・)


いつからだろう。どんな人だろう。私の知ってる人かな。同級生?それとも年上?もしかしたらライブハウスでよく一緒にいる中の誰かなのかな。

一人ベンチに腰掛けながら、気が付くと私はそんな事ばかりを考えていた。まだフェイトちゃんの口からはっきりと教えてもらったわけでは無いのだから、気にするほどの事じゃないよ、と頭の中でもう一人の私が言う。でも、いくら仲がいいからって1から10まで全部話す必要はないんじゃない?プライバシーって大事でしょう?って冷めた目で私を見つめている別の自分もいた。






(そう言えば)

何となくフェイトちゃんの様子が変だなぁって気が付いた時期の事を思い出した。あれは確か初詣の時。ぼんやりとどこかを見ていたようで。でもすぐにフェイトちゃんは何でもないよって言って笑ってた。それから、

(後で教えてあげるって言われて、そのままだ)

あれから何度か尋ねたけれど、もうちょっと待ってとか、心の準備がとか言われて結局聞きそびれている。


(そっか・・・あれがそうだったんだ)


こうして一つ思い当たる事に気が付くと、あとはもう簡単だった。フェイトちゃんの歌う歌詞に、大切な人を想う気持ちを綴ったものが多くなったように思う。歌っている時の表情も前に比べたらとても優しくなった。そして、フェイトちゃんは私に優しい。大切な誰かがいる人は、他人にも凄く優しくなれるって、私は知っている。




フェイトちゃんには、好きな人がいる・・・・



私の中で、それは間違いのない事実へと変わった瞬間だった。
























フェイトちゃんが歌っている姿を見ているのが大好きで、
フェイトちゃんが笑っていてくれるのが嬉しくて、
フェイトちゃんが傍にいてくれるって思える事が幸せで、
それ以上、他には何も望まないつもりでいたのに。



些細な言葉が嬉しくて、そっと差し伸べられるその手をつい取ってしまいたくなった。頭では分かっていたの。その手を取るのは私じゃだめなんだって。その手を取っていいのは、私じゃない別の誰かなんだって。でも実際にそうだと思い知らされると、心が張り裂けそうになった。



矛盾、してるよね。私。伝えるつもりなんて全然なかったはずなのに。フェイトちゃんに誰か好きな人が出来たら、そばで応援するんだ、なんて思っていたはずのに。実際にフェイトちゃんに好きな人が出来たかも、って知った途端、こんなにも動揺してる。



私に向けられていたフェイトちゃんの優しさが今はとても痛くて、その歌声に悲しくなる。あなたに出会わなければ、こんなにつらい思いをしなくても良かったのかもしれない。でも出会っていなかったあの頃にはもう戻りたくないよ。



ねぇ、フェイトちゃん。
どうして私は、あなたに、恋してしまったのかな・・・・・。





















なのはが、そうやって苦しんでいる事なんて、この時の私は気が付きもしなかった。













お弁当をみんなで食べていた時から気になっていた。なのはの様子がちょっとおかしい・・・・



「ねぇ、なのは?」

ー・・・・・

「なのは?」

ーあ、ごめん、何?

「何って・・・なのは、具合でも悪い?」

ー・・・・どうして?

「いや、なんか・・・ずっとぼんやりしてるって言うか・・・私の事、見ないようにしてない?かな・・・」


そう、みんなで合流した時からずっと気になってた。今日はなのはと一度も視線が合わない。


こんな事初めてだ。私がなのはを見るとふっと視線を逸らされる。そう感じると言う事は直前までなのはは私の事を見ているんだと思うんだ。私、何かしたかな?・・・確かに、今日の待ち合わせ、私が一番最後でみんなを待たせちゃったけど、でもそれだってよくある事だし。

どうしよう、こんな事じゃ折角決めた決意も揺らいでしまいそうだよ。

そんな思いでチラリとアリサを見るとアリサは、バカな事考えてないでさっさとしなさいよ!と顎で合図を送ってくる。


うっ・・・アリサ。人事だと思って・・・・。


アリサとすずかにせっつかれて、私は今日この時、なのはに告白しようと決意してきた。いや、本当はもうちょっと心の準備が出来てからって、言ったんだ。なのにアリサのやつ


「あんたね、気が付いたのが初詣の時って言ったら、あれからもう半年過ぎてんのよ?。そんな事しててなのはが誰かのものになったらどうするつもりなのよ」


何て脅すから。思わず、今日告白された後輩に「好きな人がいるから」って言っちゃったじゃないか。まぁ、それはそれで別にいいんだけどさ。


でも!だから・・・。なのはが何だかずっと上の空なのが気になるんだ。体調が悪いって訳でもなさそうだし、本当にどうしたんだろう。


なんて思っていたら、珍しくなのはがメモ帳を取り出して何かを書き始めた。この光景も久しぶりだな、なんてのほほんと眺めていられたのはホンの数秒だけ。私は、なのはの手で綴られる文書を目で追っているうちに完全に思考がストップしてしまっていた。



『ちょっとね、そろそろフェイトちゃん達に甘えるのも卒業しようかなって考えてたの』


「ちょっとなのは、何考えてるのよ」
「なのはちゃん?」


黙り込んでしまった私に代わって口を開いたのはアリサ達だった。2人の問いかけになのははメモ帳を捲って続きを書く。


『たくさん助けて貰ったしね。なんといっても私、後輩じゃない?知ってた?私達の学年じゃ、フェイトちゃんって物凄い人気者なんだよ?何か最近みんなの視線が痛くて(笑)』


なんて。どうして今頃そんな事を言うんだろう。そんなのとっくに知ってたし、みんなで笑い話にしてたじゃないか。学年が違ったって仲のいいグループは私たち以外にもいくらでもある。それなのに・・・・・。ねぇ、なのは。なのはの考えてる事が分からないよ。どうして急にそんな事言い出すのかな・・・・。もしかして、私達よりも一緒にいたいと思う誰かがいるの?なのは・・・


そんな私の口に出来ない気持ちをアリサが代わりに言葉にしていた。


「なのは、あんたもしかして・・・・・誰か好きな人・・・いるの?」


『いたら、どうする?』


僅かに間をおいて差し出されたメモ帳には、短くそう書かれていた。


「・・・・誰かを好きになれたのなら、私は嬉しい。だってなのは・・・・」


過去に何かあった事は薄々気が付いてはいた。それがなのはが話せなくなった原因の一端でもあるらしいから。だから、アリサが嬉しいと口にした事も納得できる。だけど


『でも、振られちゃった』

「え?」

『好きな人がいるんだって』

「は?」

次いで差し出されたメモ帳に書かれていた言葉に私達は3人して顔を見合わせた。









ーごめん・・・


「なのは?」


どうしていいのか、どう言葉を掛けるべきか迷っていた私達になのはは申し訳なさそうな顔をして、それから一人になりたいからと私達が止めるのも聞かずに、逃げるようにその場から立ち去ってしまった。駆け出すなのはのその背を見送りながら



「フェイト、あんたまさか」
「ちょっと待ってよ、アリサ。私が今、告白しようとしてた事知ってるでしょう?大体、私なのはに好きだなんて言われてないよ」
「なのはちゃんもフェイトちゃんの事好きなんだと思ってたんだけどな、私」
「私もよ」


すずかがポツリと呟いた事に同調するアリサ。言ってなかったけど、本当は私もそうだと思ってた。でもそれはただの自惚れだったみたいだ。ねぇ、なのは。それでも私がなのはを好きな気持ち、変わらないんだ。なのは、キミが好きになった誰かを恨んでしまいそうな私を、どうか許してくれますか・・・・。



なのはが走り去ってしまったその場所で、私はただただ後悔で胸が張り裂けてしまいそうだった。



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