好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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キミの奏でる音が優しくて :: 2013/06/21(Fri)

記憶にある方いらっしゃるでしょうか(汗)
タイトルしっかりありますが、サルベージで
ございます(汗)

なにとぞ、よしなに(笑)







□  ■  □  ■  □


「あれ?フェイトちゃん、眠いの?」
「ん~?・・・ううん。そんな事、ないよ?」

眠くないよと答える彼女の目は、その言葉とは裏腹にどこかトロンとしていて、いつもよりも瞬きが多いような気がした。

「そうなの?」
「うん」

けれど、そう見えたのはほんの僅かの時間で、次に問い掛けた言葉には割とはっきりとした口調の返事が返って来たので、なのはも余り深くは考えず、フェイトとの会話を続けていた。けれど


「・・・・フェイトちゃん」
「・・・ん」
「やっぱり、眠いよね?」


くすっ、とつい口元が緩んでしまったのは、目の前で必死に睡魔と戦っている彼女が余りにも可愛らしかったから。その姿は、普段の凛々しい彼女とはとてもかけ離れていて、思わず自室でよかったとなのはホッと胸を撫で下ろした。


「昨日、遅かったの?」


なのはが尋ねれば、そんな事はないよと返事が返る。じゃあ疲れが溜まってたのかな?と続けて聞けば、最近はそんなにハードな任務はなかったからとこれも否定される。けれど、その間もフェイトの瞼は上と下とで、まるで自分と彼女のように惹かれあっていて・・・。


(もう、仕方ないなぁ)


フェイトが遠慮して疲れていないと言っている訳ではなさそうだけれど、それでも実際にはなのはの目の前で舟を漕ぎかけていて、油断すれば腕一本で支えているだけの頭は簡単にテーブルへと激突してしまいそうだった。


「少し、眠ったらいいよ。フェイトちゃん」


なのはがベッドへとフェイトから視線を移したその時、背後で「ゴンッ!!!」と盛大な音が聞こえた。ビクッと一瞬身を震えさせたなのはは慌てて振り返る。するとそこには痛みに顔を顰めて額を押さえ呻いているフェイトがいた。



















「本当に疲れてなんてなかったんだ」
「うん」
「ちゃんと睡眠もとってたよ」
「そっか」


あの後、ぶつけた場所を見ると幸いにも、傷などはなく。けれど、なんの防御もないままぶつけた為に赤く幾らか腫れてしまったその額が余りにも痛々しくて。ちょっと待ってて、とフェイトを部屋に残して出て行ったなのはが、再び戻ってきたその手には冷蔵庫でずっと出番を待っていた「冷えピタ」があった。

恥かしいよ、と最初はそれを貼るのを拒んだフェイトだったが、放っておくと長引くよ?とのなのはの説得(素敵な笑顔付き)に仕方なく前髪をかきあげてそれを受け入れた。




そして、現在。

ベッドへと背を預け並んで座る二人は、ポツリポツリ話すフェイトの言葉をなのはが静かに聞いて短く相槌を返していた。


「不思議、なんだ」
「何が?」
「こうしてなのはと話してるとね」
「うん」
「凄く気持ちが落ち着いて、安心するんだ」
「・・・うん」
「あ、違うよ?」


ホンの少しの間の意味に気がついたフェイトは「仕事で辛い事があったとかじゃないよ?」となのはの顔を覗き込んで心配しないでと笑みを零した。



「ずっとね、感じてた事があって」
「うん」
「なのはの声が暖かいなぁ、とか」
「声が?私の?」
「うん。聞いてると何ていうのかな・・・凄くリラックスできる感じ」
「リラックス?・・・」
「うん、そう・・・・たまになのはがイライラしてたりすると、声が痛いなぁ・・・って感じの時もあるよ・・・」
「痛い・・・の?」
「そう、痛いんだ・・・声、なのかな?音・・・・かな?」


話しているフェイトも何だか自信がなさげで。時々首を傾げたりしている。


「それじゃあ、私がイライラしてるのを頑張って隠してても、フェイトちゃんには全部ばれちゃうって事?」
「あぁ、そうなるねぇ・・・・・」

何だか間延びしたような声がフェイトから返って来る。それは困っちゃうなぁと言うなのはの言葉にふふっと小さく声を零しそしてなのはの肩にフェイトがコテンと頭を乗せた。


「今は?」
「ん~?」
「今は、痛い?」
「今?・・・は・・・・・凄く、あった・・・かくて・・・・ポン、ポンって・・・・して、る・・・」
「ポンポン?それって、な・・・・・」



ポンポンが一体何の事なのか、尋ねようと口を開くけれどすぐ耳元で聞こえてきた規則正しい息遣いに、なのはは僅かに頬を緩めるだけで声を出すのをやめた。



(眠っちゃった?それにしても・・・)



正直、フェイトの言っていた不思議な感じがなのはにはよく分からなかった。緊張で声が強張るとか、イライラしていて口調がきつくなるとかの表現はよく耳にするけれど、今フェイトが話していた事は何となくそれとは別の感覚のような気もするし。


ただ、自分の声(音?)がフェイトに安心を与えているのなら、それは素直に嬉しい事だったから、今度またゆっくり考えてみようと今はそこから思考を外す。



すっかりと寝落ちているフェイトだったが、頭を自分の肩に預けただけの体勢では辛いだろうと思い、なのはは自分の身体を少しずつずらし、フェイトの頭が自分の膝の上に丁度乗るようにその身体を移動させた。

フェイトの周辺にごく僅かに魔法を発動させて、その体勢をより楽なものへと正す。すると一瞬だけフェイトが微笑んだように見えた。


(一体どんな夢を見ているんだろうな)


そんなフェイトの頭を優しく撫でながら、ぼんやりと窓の外を眺める。フェイトがここにきた時はずっと真上から自分達を見下ろしていた太陽は、その色を僅かに朱に変えながら今日の役目を終えようとしていた。



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