好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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サルベージ :: 2013/08/10(Sat)

ちと忙しくて文章が進んでいないので500わ0hitの時の
拍手文をサルベージ。


今回のは「ルームシェアは突然に」からですよ。







■  □  ■  □  ■



「どうして・・・嘘でしょう・・・」


降りしきる雨の中、なのははとある店の前で呆然と立ち尽くしていた。






「はぁ・・・・」


どれだけ睨みつけた所で、本日定休日の店のシャッターが開く事はなく、どうにも遣る瀬無い気持ちを抱えたままなのははトボトボと来た道を戻る。こんな事なら、もっと早く買ってしまえば良かったと今更悔いた所で何も始まらない。なのはとフェイトにとっての記念すべき今日は着実に終わりへと針を進めているのだから。









「何か代わりになるもの・・・でもなぁ・・・」


仕方なく、もう一軒別の店へとやって来た。品揃えと言う点で見るなら、さっきの店よりもこちらの方が断然多い。だが、一度強烈にこれだと思った向こうの店の品物の方がフェイトに似合っているような気がして、やはり妥協はしたくないなとなのはは思っていた。フェイトなら、自分が贈った物ならどんなものでも喜んでくれるのはよく分かっているのだが、それでは自分の気持ちが治まらない。


「うん、やっぱりあれにしよう」


結局散々悩んだ挙句。今日渡すのは諦めて、明日もう一度あの店に行こうと決めた。



「わ、さっきよりも雨、強くなってる」

何気なく店内から外を見ると、さっきここに来たときよりも雨足がわずかに強くなっていた。このままだと、もしかしたらこれからもっと強くなるかも知れないなと考えて、ふと今朝フェイトは傘を持っていかなかった事を思い出す。


今年の梅雨は空梅雨で、昨日も雨が降るだろうと予測されつつ結局はいい天気で。持って出た傘は正直邪魔で仕方なかった。もちろんそれはフェイトも同じで、だから今朝は「今日もきっと降らないよね」なんて言って傘は持たずに出ていた。



「どうせなら今日も外れてよかったのに・・・・大丈夫かな・・・」


時計を見るともうすぐ3時を回る頃。自分が今いる場所が駅の近くだからもし時間が合えばこのまま迎えに行ってもいいのだけれど。とりあえず電話をしてみようかと思ったその時、丁度携帯が着信を知らせるべくなのはの手の中で震えた。


「にゃは、フェイトちゃんだ」


たった今思い描いていたその人からの電話に、さっきまでの沈んだ気持ちが一気に浮上する。逸る気持ちを抑えながらなのはは通話ボタンを押した。



『あ、なのは』
「うん」


携帯を耳にあてるなり響く優しい声になのはは自然と笑顔になる。それに気づき慌てて周りを気にしながら店の隅の方へ移動する。


『あれ?もしかして外?』
「うん、ちょっと買い物してたんだけど、もう帰ろうかなって思ってた所。フェイトちゃん今どこ?」
『駅、なんだけど。戻れば少しは止んでるかなって思ったんだけど全然ダメで』

あはははは、って苦笑いしてるフェイトちゃんの様子が頭に浮かぶ。


「じゃあ、迎えに行くよ」
『いいの?そうしてくれると嬉しいけど』
「平気。今いる場所、実は駅の近くだったから。フェイトちゃんから電話が来なかったら私の方からかけてたトコ」

だからタイミングは丁度よかったんだよ。そう言ってしまってからハタと気づく。そう言えば・・・・


(傘、1本しかないんだった)


どうしようかなって思ったその時


『ねぇ、なのは』
「ん?」
『買い物に出てたって事は、傘1本しかないよね?』
「ぅ・・・そう、なの。私も今思ったんだけど」
『そっか、なら良かった』
「え?」
『だって相合傘が出来るじゃない?』
「あ・・・そっか・・・」


フェイトに言われて、思わず頬が緩む。周りに人がいる事なんてもうどうでもよくなっていた。


『じゃあ、駅の入り口のトコでまってるね?』
「うん、すぐ行くから」
『慌てなくてもいいから、気をつけて』


じゃあね、と通話を終える。なのはは急ぎ傘を持ち、雨の中をフェイトとの相合傘の事だけを考えながら駅に向かう。だからすっかりと忘れていた。自分が何の為にこの雨の中買い物に出て来ていたのかと言う事を。



















駅の構内入り口付近でフェイトちゃんを見つけた。すぐに声をかけようと思って、その手にあるものに視線が止まる。あっ!と思った時にはフェイトちゃんも私に気がついていて、私はたった今まで忘れていた大事な事を思い出した。




「なのは」
「フェイトちゃん。お待たせ」
「ううん、助かっちゃった。ありがとう」
「どう致しまして。ねぇフェイトちゃん」
「ん?」
「それ・・・どうしたの?」
「あぁ。へへ、待ってる間にね買ったんだ。雨だからちょっと荷物になると大変かなって思ったけど、でも寄り道するよりはいいかなって思ったから」


今日は記念日だしねって嬉しそうに小さな箱を持ち上げてみせるフェイトちゃん。何の記念日?なんて聞く必要はなかった。だって私もその為にフェイトちゃんにプレゼントするもの探してたんだから。


「覚えてたんだ、フェイトちゃん」
「もちろん。忘れるはずがないよ」
「にゃは、そうだよね」
「そうだよ・・・今日で一年だよ。なのは」


そういってフェイトちゃんが笑う。そう1年。私とフェイトちゃんが一緒に暮らし始めてから今日でちょうど1年になる。


「うん・・・なんか、嬉しい」
「私も、嬉しいよ」
「あの・・私、もね・・・あるんだ。フェイトちゃんにプレゼントしたいもの」
「え?本当に!何だろ?わ、凄いドキドキしてきちゃった」
「あ、で、でもね」
「なのは、早く帰ろう?」
「え?」
「なのはのは家に戻ってからのお楽しみにするから」


だから、急いで帰ろう?そう言って笑顔を見せるフェイトちゃんにまだ買えてないんだって言うタイミングを完全に逃してしまった。





どうしようとか、なんて謝ろうとか考えながらも、フェイトちゃんと相合傘で帰るこの時間が幸せすぎて、私が悩んでいることなんてホンの些細な事なんじゃないかと思ってしまった位で。濡れないようにと私を抱き寄せてくれたその手にそっと手を重ねて歩く。さっきまで煩わしいだけだった梅雨の雨が今は天(そら)からの贈り物のように思えて愛しさすら感じていた。






だから、かな。今なら言えるかもって思ったんだ。





家がもう目の前まで見えてきた頃、雨脚もだいぶ落ち着いて、傘を叩く雨の音も小さくなってき始めていた。私は重ねていた手を外し、傘を持つフェイトちゃんの手にそっと触れる。


「ん?どうしたの、なのは」


足を止めて、ホンの少し顔をこちらに向けたタイミングにあわせて、少しだけ傘を持つ手を引く、そして



チュッーーーーー



「な、なのは!!」


一瞬だけ、フェイトちゃんと唇を触れ合わせた。驚いて、頬を染めるフェイトちゃんを見つめながら、あのね、と口を開く。


「プレゼント、実はまだ用意できてないの」
「え?」
「あ、あのね。何を贈るのかはもう決めてあるんだけど、その・・・お店がね、今日定休日なの忘れてて・・・」


そこまで言って私も恥かしくなってフェイトちゃんの胸に顔を埋めた。暫く二人して黙り込む。と不意にフェイトちゃんが「ああ、だからか」と何か納得したような声をあげた。


「ねぇ、なのは」
「ん?」


胸元に顔を埋めたままくぐもった声で返事を返す。


「さっきのあれは、もしかしてプレゼントの代わり?」
「か、代わりって言うか・・・そのお詫びっていうか」
「お詫びか・・・そっか・・・ならさ、なのは」
「ん?」
「もう一度、今度はちゃんとしてくれたら、今日の所は許してあげるけど、どうする?」


え?って思って顔を上げるとそこには物凄くニヤついた顔をしたフェイトちゃんがいた・・・・・。



(どうしよ。私、もしかして色々間違えちゃったかな)



ん?って私の返事を待ってるフェイトちゃん。あの顔は絶対に私の事見て楽しんでる顔。でも・・・・・。



「あ、明日・・・」
「ん?」
「一緒に・・・行ってくれるなら、してあげても・・・・ぃぃよ」
「え?・・・・・・くすっ。もちろんいいよ」
「それなら・・・」



ほんの少し背伸びをして、私はフェイトちゃんの唇に触れる。



「ずっと、ずっと・・・・大好きだから」
「うん、私も・・・。いつまでも一緒にいよう」



私の腰に回されたフェイトちゃんの腕に力が篭る。雨はすっかり上がっていたけれど、私達の傘がその役目を終えるのは、まだもう少し時間が掛かりそうだった。











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テーマ:魔法少女リリカルなのはStrikerS - ジャンル:アニメ・コミック

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