好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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月が綺麗ですね :: 2013/09/19(Thu)

いつかはそう言う文章を書いてみたいですね(笑)
今日は違いますけどね(・ω<) テヘペロ








■   □   ■   □   ■


中学からずっと好きだった子と高校に入学してから初めて同じクラスになった。嬉しくて嬉しくて毎日がこれまでとは比べ物にならない位に楽しくて。だけど、人と付き合うのが苦手な私は大勢の友達に囲まれる彼女に話しかけるどころか傍に近づく事さえ出来なかったから、ずっと彼女は私の事なんて知らないんだろうなって思ってた。

だけど・・・。


「ハラオウンさん」
「え?あ・・・な、何?」


突然話しかけられて驚いた。何よりも名前を憶えていてくれた事に感動して思わず声が上ずった。


「あのね、携帯持ってる?」
「あ・・・うん、一応持ってる、けど?」
「今ねみんなでアドレス交換してたんだけど、ハラオウンさんのも聞いてもいいかな?」


そう言って「みんな」の方に視線を送る。あー、何だそう言う事か。彼女以外のクラスメートの顔を見てあぁと思わず納得した。きっとあの子達は私の事なんてどうでもよくて、だけど彼女は優しいから。「みんな」とアドレス交換するのなら私も、と気を使ってくれたのだろう。だけどそれでも良かった。例え登録されるだけで忘れられるものだったとしても私にも彼女のアドレスが手に入るのだから。


「構わないけど、私の赤外線登録出来ないけどそれでもいい?」
「平気平気・・・じゃあ、えっと・・・」


私の携帯が赤外線登録の出来ない機種だった為にみんなよりも少し面倒な作業が必要になる。その事が少し心苦しかったけれど彼女はそんな事全く気にするそぶりも見せず、近くにあったメモ用紙を取って来てサラサラと自分のアドレスを書きだした。


「これ私のなんだけど、先に登録してもらっていい?」
「あ、うん・・・・・っと、じゃあこれでそっちに送っていいかな」
「うん、お願い」


こんな時、気の利いた何かを一言書けたりしたらいいのだろうけど生憎と私にそんな器用な真似は出来ない。結局件名に「テスト」と入力して空メールを送るのが精一杯だった。


軽快な音楽が鳴り彼女の携帯にメールが届く。すぐにそれを確認した彼女は笑みを浮かべながらそれを確認してありがとうと小さく呟きながら集団の方へと走り去っていった。何だかとても嬉しそうに笑っていたように見えたけど、きっとそれは私の願望が思いっきり影響しているに違いなかったから、調子に乗っちゃだめだと自分自身に釘を刺しておいた。





何の幸運か知らないけどこうして彼女のアドレスを手に入れる事が出来た私は、その登録番号を1番にして、思わず震えてしまいそうになる手に苦笑を零しながら彼女の名前を私の携帯に登録した。



『高町なのは』



彼女からメールが来る事なんてないと思いながらも、彼女からのメールの着信音は私の一番大好きな曲に設定して、それから彼女が書いてくれたメモを失くさない様に小さく折りたたんで手帳へとしまいこんだ。





















そんな事があった今日。こんな幸運は二度とないだろうなと部屋でベッドに寝転がりながら登録した彼女のアドレス帳を開いていた時だった。


♪~♪~♪


「え?え?え?・・・っ~~~」

今日設定したばかりの音楽が鳴り響く。驚き過ぎて思わず手から携帯が落ちそれが鼻を直撃した。涙目で鼻を摩りながら届いたばかりのメールの送り主を確認する。自分が登録したのだ、間違えようはずなどないのだけれど、それでも私はその名を何度も見返してしまった。


「ど、どういう事?・・・」

何が何やらさっぱり意味が分からず、さっさと開けばいいだけのメールを確認するのに必要以上の時間がかかってしまった。だけど・・・・


「あ・・・何だ・・・間違って送ったんだ・・・」


件名にはなのはです、と入力されていた。やっと開封したメールを見てなんだと無駄にドキドキしていた自分を自嘲気味に笑う。


『今度のお休み、よかったらどこかに遊びに行かない?』


明らかに送る相手を間違えていると思った。私の事なんて多分名前くらいしか知らないはずだから。そんな単なるクラスメートを誰が誘うものか・・・・。私はそのメールに短く本文を繋げ彼女に送り返した。


『送る相手を間違えてるみたいだよ』


喜んだり、落ち込んだり。本当に今日は忙しい日だな、なんて。期待していたつもりはないのにどうもそうではなかったらしい事に改めて気が付いて思わず苦笑いを零す。そんな時、またしても


♪~♪~♪


「律儀だなぁ・・・別に返信なんていらないのに」

どうせ謝罪のメールなのだろうと思ったから、さっきほどメールを開封するのに緊張はせず時間もかからなかった。


「え?・・・」


だけど戻ってきたのは謝罪の一文では無くて


『ハラオウンさんのアドレスに送ったんだけど?』


慌てて返事を返す


『だって、どうして?』


咄嗟に思った事をそのまま打ち込み送ってしまった。もっとちゃんと書けばよかったと後悔しても送ってしまった後ではもう遅い。しかも向こうからも間髪入れずに返信が届く。


『もう面倒だから電話するね』


「え?ちょっ、嘘、待って・・・だって番号、わっ!!」


彼女からは想像できない短気な文面に、焦る私の事なんて知らない彼女からメールの宣言通りに電話が鳴る。どうして番号を知ってるの?とかホントはアドレスと一緒に送っちゃってたのかな?とかぐるぐると脳内を訳の分からない思考に埋め尽くされる。思わず放り出してしまった携帯を拾い上げ恐る恐る通話のボタンを押した。


『もしもし?』
「も、もしもし」
『高町なのはです』
「あ、はい・・・知ってます、えっとフェイト・て、てすたろっさ・ハラオウンです」
『うん、知ってる』


随分と間の抜けた会話だ。分かっていても緊張でどうにもならない。電話の向こうで彼女が笑っていてくれるのだけが救いだった。



「・・・・どうして番号知ってたの?」


やっと落ち着いた私が訪ねたのは最初のメールの内容じゃなくて別の事。


『はやてちゃんに聞いたの』
「はやて・・・・そっか」


人付き合いの悪い私が唯一友人と呼べる人の名だった。そう言えばはやてには番号教えていたっけ。こっちはそれすら登録してないや。私の携帯にかかってくるのは家族かはやてだけだった。こちらから掛けることは殆どなかったから私の携帯の登録数なんて片手で済む。



『でね』
「うん」
『日曜日、暇?』
「・・・本気だったの?」
『当然、だってずっと待ってたんだもん』
「え?」
『ううん、何でもない。そんな事より日曜日、暇?』


彼女にしては珍しく・・・と言うか、こんなに強引な彼女は初めてのような気がするな、と思いながらもとりあえず予定の無い私は「うん」と短く返事を返した。


それから二言三言話をして殆ど彼女に押し切られる形で日曜日、2人で出かける約束をしてしまったのだった。






「・・・・・びっくりした」


通話を終えてからも私はぼんやりと携帯を眺めていた。本当は全部夢で、ほっぺを抓れば・・・・


「・・・痛い。夢じゃない」


ぽふん、とベッドに倒れこむ。枕を抱き込んでゴロゴロと左右に転がりながらたった今起こった奇跡を振り返る。時間が経てば経つほどに嬉しさがこみ上げて、結局この日私は興奮のあまり一睡も出来ないまま朝を向かえる事になったのだった。











そうやって私が悶えている頃、同じように彼女もまた長年の思いを遂げて枕を抱えていたと知るのはまだもう少し後のお話・・・・。










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