好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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本当はこっちを先にしなきゃいけなかった :: 2013/10/08(Tue)

なかなか新しいのが出来なくてUSBを漁っていたら
見つけました(笑)。
ってか、本当は50000hitよりもこっちを先に
サルベージするべきだったかも(笑)。


とりあえずサルベージでごめんなさいね。


男装フェイトちゃんから・・・
(ちょっとだけ手直ししました)









□  ■  □  ■  □


「皆、元気にしてるかな・・・・」


無意識に出た自分の言葉にハッとした。
独りきりの部屋で、音がないのは寂しかったから
大して興味もない年末の歌番組を惰性で眺めていた。


けれどなのは自身の意識はそこにはなくて、窓から見える
雪景色をぼんやりと眺めながら、遠くはなれた家族の事を
考えていた。だから、普段なら絶対に口にしないような
冒頭の言葉がつい漏れ出てしまったのだ。



「参ったな」



自分で故郷を出る事を決めた。その事自体を後悔した事はない。
けれど、こんな夜はつい思ってしまう。



独りぼっちは・・・・寂しい。



いっそアルバイトのシフトでも割り当てられていたのなら。
年末年始なんて忙しいだけだよね。なんて、バイト仲間と
文句の1つでも言いながら、遠くから聞こえる除夜の鐘に
みんなで、あけましておめでとう!と、恒例の決まり文句も
何の感慨もなく言えただろうに。



「あー、やめやめ!」


思考が深みに嵌りそうになって、慌てて自分で自分に檄を
飛ばす。そうだ、そんな事、今更考えたって仕方ない。
大体、高校生の、しかも3年生の冬休みという一番大事な
時期にアルバイトなんて、出来るはずもない。
独りを選んだのは自分。そして、寂しいのは自分だけじゃない。



「ん~~~~、ん?」



立ち上がって、グッと伸びをする。
つけっ放しだったテレビからは続々と初詣に向かう集団の
映像が流れ始めていた。行こうかな、初詣。そんな事が
頭を掠めていったその時、玄関から控えめなノックの音が
聞こえてきた。

















「・・・・何で、ここにいるの?」
「だって、定番だからね」
「は?」


立っていたのは彼女。
ジーンズにダッフルコート、自慢の長髪は器用に纏めてニット帽の中に。
コートに合わせただろうマフラーを巻いて、ご丁寧に伊達メガネを掛けるという
周到ぶり。なまじ身長があるだけに知らない人が彼女を見ても女性だとは
気が付かないのではないかと思う。


「さぁ、行こうか」
「どこに?」
「・・・・・キミは、馬鹿なの?今日のこのタイミングで
受験生の恋人同士が行く所なんて1つしかないよね?」


呆れたような彼女の視線を受けながら、心の中で恋人同士じゃ
ないし、なんて悪態をつく。どうせ1人で予定もないんだろうし、
なんて言うから、決め付けないでよねってそっぽを向くと
えっ?って言う小さな声。それが何だか酷く沈んだ声に聞こえて
思わず彼女の方を向くと、ニヤニヤとした意地悪ないつもの視線と
ぶつかった。


「・・・・からかいに来たのなら帰ってよ」
「わざわざ私が迎えに来てあげたのにそれは酷いな」
「頼んでないし」


くるりと彼女に背を向けた。


「だって・・・・・ょ?」
「え?」
「仕方ないな、それじゃあ他の女の子でも誘って」
「待って!」





ー独りは寂しいよ?




聞き間違いかとも思った。実際振り向いた時に見た彼女の顔は
いつもの飄々としたものだったし。けれど、何故だか掴んだ彼女の
腕を離す事が出来なくて


「し、仕方ないから、付き合ってあげても、いいかな」
「・・・ぷっ」
「な、何?!」
「いや、それなら最初から」
「べ、別に。そんなに行きたい訳でもないし」
「あぁ、ごめんごめん。私が一緒に行きたいんだ、なのはと。初詣に」
「さ、最初からそう言えばいいんだよ・・・待ってて。着替えてくるから」
「外、寒いから。あったかい格好して!」
「わかった」


私の言葉に目を丸くして噴出した彼女を見て、また意地を
張りそうになる。けどそんな私に折れてくれたのは珍しくも
彼女の方だった。着替えてくると再び背を向けた私に向かって
投げられた言葉が何故だかとても温かくて、私は自然と返事を
返していた。











「お待たせ・・・・って何?」
「いや・・・その・・・似合ってるよ。とても・・・」
「はぁ?!」


部屋着から外出用の服に着替えてコートを羽織って戻った私を見て
ポツリと零す彼女。聞き逃してしまいそうなほど小声で可愛いよと
続けられた言葉に思わず頓狂な声をあげた。


「・・・何か変なモノでも食べたの?」
「・・・相変らず失礼だな、キミは」
「だって」


どうしたって彼女の口から漏れた言葉だとは信じがたくて、
だけどほんのり頬を朱に染めている顔を見ると満更
嘘でもないようなそんな気がして。だから、私も少しだけ
思った事を口にした。


「あなたも似合ってるよ?その辺の優男よりずっとカッコよく見えるもの」
「・・・それ、褒めてるの?」
「もちろん!それより、早く行こう!・・ね、フェイトちゃん!!」
「っ・・・・・そ、だね。行こう。なのは」



言ってしまって恥かしくなって、俯きかけた私に返って来たのは
ホンの少し拗ねたような仕草をする彼女。それが何だか新鮮で。
私は自然と彼女に笑みを向けながら、呼んで欲しいと言われた
名を口にしていた。

驚いた顔を見せる彼女。徐々に広がる朱の色と初めて見る穏やかな
笑顔。あー、きっとこれが彼女の本当の笑顔なんだろうな。
何故かそんな事が頭を過ぎっていった。


行こう。差し出された手を握る。キュッと力を入れると同じように
握り返された。たったそれだけの事が嬉しくて。気がついたら
さっきまで感じていた寂しさなんて、綺麗さっぱり
消えてなくなっていた。



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