好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




スポンサーサイト :: --/--/--(--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


  1. スポンサー広告

なんの捻りもありませんよ? :: 2014/05/23(Fri)

523で「こいぶみ」の日らしいので、ちょっと書いてみた。

短いよ~。


後になって気がついたけど、キスの日の方で書けばいちゃいちゃ
だったんだよね・・・ってことはつまり


いちゃいちゃしてないってことです!(いばんな)


続きからどうぞ~






■  □  ■  □  ■


「確かこっちに来るとき持ってきたと思ったんだけど・・・」


ぶつぶつと独り言を呟きながら、なのははミッドに越して来てから放置しっぱなしだった段ボールの箱を開けた。何個目かの開封の後、それは比較的小さめの段ボールの端の方に、丁寧に梱包された状態で眠っていた。


その梱包を中のモノを傷つけないよう慎重に解く。全ての梱包材を取り払った時、そこから顔を出したのはシンプルな写真立てだった。





中に入っていたのはフェイトと2人で並んで映っている写真。この写真を撮った時はまだ親友同士だった2人。2人の間にある微妙な距離間に当時のフェイトの気持ちを垣間見て苦笑が漏れる。


それを手になのははリビングへと戻る。リビングではつけっぱなしになったままのテレビが、ミッドではないどこかの星の風景を映し出していた。なのはは何度かテレビを操作して、現在放送されている景色がどこの星のものか確認すると、写真立てを手に立ち上がる。目指すは現在出張中のフェイトの部屋だった。







「えっと、ごめんね。ちょっと辞書借りるだけだから」

主の留守に勝手に部屋に入る事に少々の後ろめたさはあるものの、元をただせばフェイトにも多少の責任はあるのだし、と開き直り。本棚の前に立って目当てのものを探しそれを抜き出した。

それを手に、極稀にフェイトが仕事を持ち帰った時に使う机に向かう。写真立てと辞書をそこに置きなのはは椅子に腰かけた。背もたれにゆっくりと凭れかかると何となく同じ事をするフェイトが頭に浮かんで無意識に頬が緩む。


ハッと我に返り、誰もいない部屋で何してるんだろうと赤くなる頬をそのままに、なのはは写真立てをひっくり返し中から写真を取り出す・・・のではなく、スタンド部分をそのままひっくり返した。




ひっくり返されたそこには記号のようなものの羅列。なのはがフェイトから出張のお土産として貰って写真を入れようとした時に見つけたそれは今も色あせる事無くそこに刻まれていた。














思い出したのは偶然だった。たまたま見ていたテレビ。そこに映し出された風景とある特殊な文字。それはその星の王族が他人に見られてはいけないものを、王族にのみ伝わる古い文字で書き記したものだと言う。何となく目で追っていたのだが、なぜかその文字から目が離せなくなっていた。


「どこかで・・・・」


見たような気がした。もちろんなのは自身はその星になど言った事はない。けれど、意識すればするほどその「文字」を自分は見ていると言う確信が脳内を占めていった。


「どこだっけ・・・・・あっ!」


見覚えのある建物が映し出された。


「フェイトちゃんのお土産だ!」







2人の写真を入れる時、買った時に入っていたその星の有名な建造物の写真と入れ替えた。外したそれは自分たちの写真に重ねてそのまま元に戻した。改めてそれを見る。間違いなくたった今見ていたテレビに映し出された建物だった。










辞書を開き目的のページを探す。文字が文字だけに、それ一冊では事足りず、再び本棚から数冊の辞書を持ち出した。それらと写真立ての文字を突き合わせる事数時間。やっとすべて解読出来たそれは「手紙」だった。フェイトからなのはへと送られたあの頃、告げられなかった告白の手紙。




なのはが好きだと、大切なのだと。これは憧れなのかと自分に問い、その度にそうではないのだと自答した。友情ではなく愛情。恐らく、抱えきれなくなっていた感情を、押さえきれなくなった激情を、ひそかに綴る事で親友を演じ続けていたのだろう。



読み終えて、なのはの瞳からついと涙が零れ落ちる。



「ばか・・・フェイトちゃんってほんっと、バカなんだから」



でも・・・・自分はもっとバカだったとなのははクシャリと前髪を掻き上げた。















『フェイトちゃん』
『ん?』
『ここなんて書いてあるの?』
『これはただの模様らしいよ』
『模様?文字、じゃないの?』
『うん。色んなお土産物に同じ模様が描かれてたから』
『ふーん。そうなんだ』



あの時のフェイトの言葉を思い出す。暫くしてから遊びに行ったフェイトの部屋に、この星の辞書を見つけた時気が付いていれば。いや、そもそも写真立てのあの普段見えない筈の場所に模様など描くはずがないと気づいていれば。


(ううん・・・)


今更過去を振り返っても仕方がない。今現在の自分達は確かに結ばれたのだ。だからそれでいい。ただ一つ、後悔があるとすればそれは。


きっと苦しかっただろうフェイトの心を、もしかしたらなのは自身が気が付かないうちに傷つけていたかもしれないと言う事だけ。




「よしっ」



グイッと袖口で涙を拭うとなのはは引き出しからペンを取り出した。フェイトがなのはに綴った想い。その隣に・・・・・。



どこかの王族由来の文字でも、ミッドチルダの文字でもなく。2人が共に青春時代を過ごした故郷の文字で。









「高町なのはは・・・・・・」























ペンを元あった場所へ返すとフェイトの机に新しい写真を入れてそこに写真たてを置いた。
果たしてフェイトはこれが何だか気が付くだろうか。いや、気が付かなくても構わない。今はもう分かっているから。













写真立ての中の2人は、しっかりと手を繋ぎ、そして幸せそうに笑っていた。
















スポンサーサイト
  1. リリカル 短編
  2. | comment:0
<<ある日の高町家 | top | 空に浮かぶ月だとて>>


comment

comment


管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。