好きこそモノの上手なれ

ほぼ百合成分100%(リリカルな感じ)で構成されております。但し過度の期待は禁物です。




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聖なる夜に :: 2014/12/25(Thu)

あれこれいいますまい。


メリークリスマスって事で、お納めくださいませ。


(年明けはいつになるかなぁ・・・トオイメ)


■  □  ■  □  ■


「だからね、はやてちゃん」
「うん」
「もう……ちゃんと聞いてる?」
「聞いてるよ、なのは…ちゃんと聞いてるから」

机に突っ伏しながら話すなのはは相当に酔っていて。聞き手が自身の友人の八神はやてから私に移っている事に気が付いていない。
こんなに酔っぱらっているなのはを見るのは初めてで正直どう扱っていいのか困ったから、もう帰るというはやてを引き留めて、出来るならもう少しなのはが正気に戻るまで面倒を見てやって欲しいとお願いしたのだけれど…。

「それはもうフェイトさんの役目や」
「分かってるけどこんなに酔っぱらったなのはを見るのは初めてだし」
「そんなん私かておんなしや。けど別に手が付けられんほど騒ぐわけじゃないし」
「そうなんだけど」
「ただここにいて、なのはちゃんの話を聞くだけでええんと違う?」
「え?」
「実際。フェイトさんが帰って来るまでそんな感じやったよ、私」
「でも」
「それに、な?」

人差し指を目の前に突き付けられて。人の惚気話ほど聞いてて飽きてくるもんはないよ?真顔で、それこそうんざりとしたような顔を隠す事もせず目の前のはやては言い切った。惚気話って、なのは。一体君はここで彼女に何を言って聞かせたのかな……




はやてが帰った後、缶ビールやら缶酎ハイの空き缶を片付けた。なのははあまりビールは口にしないから、飲んだのは缶酎ハイなのだろうけど。話に花が咲いたのか、それとも今日という日がお酒を飲むピッチを上げさせたのか。あるいは飲まずにはいられなかったのか。いずれにしろ、普段飲まない量をなのはが口にしたのは明らかで。

「酔っぱらうのも無理はないか…」

シンクに手を付きながら数日前のなのはとの会話を思い出す。


「フェイトちゃん25日って…お仕事?」
「そうだけど、どうかした」
「うん…。あのね、クリスマスでしょ?だからはやてちゃん達がパーティーしようって…。でも、私ね」
「行って来たらいいよ、なのは。その日は私も少し遅くなりそうだし。夕飯なら適当に食べるから」
「適当に、なんて言ってたらフェイトちゃん食べないじゃない。だめだよそんなの」

ぷぅと頬を膨らませた顔が実年齢よりもなのはを幼く見せた。そんななのはにはいはいなんて笑って、あの時はあまり気にもしなかったけど、本当はあの時、なのははきっと違う事を言いたかったのだと、情けない事に今日になって友人に叱られて気が付いた。


『あんたってホント馬鹿よね』
『…いきなり何?』
『いきなりじゃない。あんたねなのはがパーティーに行きたかったって本当に思ってる訳?』
『違うの?』
『あんた…あーもうホント、他人事だけどなのはが可哀想になってくるわ』
『アリサちゃん、そう言う言い方しなくても。あのね、フェイトちゃん』
『何?』
『行ってもいいか聞かれたの?なのはちゃんに』
『え?』
『フェイトちゃんが行っておいでって言った時、なのはちゃん嬉しそうな顔してた?』
『それは』


思い返して、そう言えばと気が付く。あの時なのははまだ何かを言いかけていたような気がする。それに

『そんなに楽しそうに見えなかった、かな』
『初めてなんでしょ?なのはちゃんとのクリスマス』
『うん』
『あんた、今日は残業禁止』
『え?でも急ぎの案件が夕方…』
『異議は認めない、残業したら給料から差っ引くわよ』

問答無用の通達。夕方確定する案件についてはすずかが代行するようにとアリサが勝手に決めた。それを嬉しそうに快諾するすずか。我ながらいい上司と同僚を持ったと(って言うと本人達に友達でしょって叱られるけど)つくづく思う。




そんなやり取りがあっての定時上がり。家に戻ると既に出来上がった状態のなのは。話を聞いていればいいからとはやてから言われたけれど、いくらなのはと言えど酔っ払いを相手にするのは骨が折れる。

「なのは、もうやめた方がいい」
「あー、はやてちゃんはぁ、わたしのおさけが、のめないんだぁ」
「いや、そう言う事じゃなくてって、あー、開けなくていいから」

相変わらず私をはやてと勘違いしたまま、残っていた缶ビールの蓋をなのはが開けた。グイッとそれを突き出されて飲まないのもおかしいかなと思い一口飲んだ。


「でね。んーと。どこまで、はなしたっけ?」


ん~と考える素振り。若干呂律の回っていない口調は幼くて。普段あまり崩れた様子を見せないなのはの初めて見る姿は新鮮だったけど

(これをはやてが見ていったって言うのもなんか…)

もやもやとしたものが胸に残る。そんな私の気持ちなんてお構いなしになのはは喋り続けていた。前後の話の繋がりなんて全く無視で、その時思いついた事を、なのはってこんなに饒舌だったっけ?って思う程話し続ていて、そしてその内容の殆どが私に関する事だった。

なのは曰く、私は仕事の出来るバリバリのキャリアウーマンで、美人で優しくて、だけどちょっと食に関する欲求が足りなくて、放っておくとコーヒーばっかり飲んで仕事に夢中になるから心配で。だけど案外ドジな所もあってそう言う所が憎めない。んだそうだ。それって喜んでいいのだろうか。

「でも、ほんとうはね、はやてちゃん」
「ん?」

既に瞼は閉じられて、フラフラと揺れていた頭は完全にテーブルの上で枕と化している腕の上にあった。

「ふぇいとちゃんって、たにんがそばにいる、のが…いや、なん、だよ」
「え?」
「ほんと、はさびし、がりや…の、くせに」
「なのは?」
「ひとり、は…きらいな、くせ、に」
「…」
「いじっ、ぱり…で」
「…」
「なき、むし…」
「なのは…」

はやてがいなくて良かったと思った。完全に眠ってしまったなのはの頭に手を伸ばし撫でながら、なのはも寝ていてくれて良かったと心から思った。でなければ情けない顔を晒すことになっていただろう。

お世辞にも人付き合いがいいとは言えない事は自分が一番よく知っていた。だからなのはと付き合い始め一緒に暮らすと言った時アリサには絶対に相手を泣かせるだけだから止めろ、とはっきりと言われた。そんなアリサを説得したのは私ではなくなのはだった。

私の傍に居たいんだと、それだけでいいんだからと。フェイトちゃんは今のままでいて、とも言われた。なのはが甘えたがりなのは結構早くに気が付かされた。仕事をしている時は邪魔にならない場所で。終われば「隣にいってもいい?」と聞かれ、いいよと答えれば遠慮がちに隣に腰を下ろす。えへへと見上げられそっと寄りかかられた。なのはの温もりを感じながら、不思議と心が落ち着いた。

なのは、君はいくつか勘違いをしているよ。確かに他人が自分のテリトリーに無遠慮に入って来るのは好きじゃない。でもその中になのはは入らない。なのはと暮らすようになってから、心の中にはいつも君がいた。だから寂しいとか一人きりだと思う事はなくなった。意地っ張りなのはは認めるけれど泣き虫なのは、なのはの方だからね?さっきのあれは不意打ちだったから。でも泣いたわけじゃないからね?だから「泣き虫」は当てはまらない。あーそうだ、そういえば…




「なのは…なのは」
「ん…あれ、ふぇぃとちゃん?」
「うん」


眠っていたなのはの肩を揺さぶり、起こす。


「…おかえりなさい」
「うん、ただいま」
「ごはん、は?」
「ちゃんと食べたよ、大丈夫」
「ん、そっか…ふぇいとちゃん…私、眠い…」
「うん、そうだね」

ごめんね、なのは。このまま寝かせてあげても良かったんだけど、君にまだ大切な事を言ってなかったのを思い出したんだ。


「あのね、なのは」
「ん?」
「遅くなったけど…」
「ぅん…」
「メリークリスマス」
「ぁ…めりー、くりすます、ふぇいとちゃん」

ふにゃりと口元を緩めながらにゃははと笑みをこぼすなのは。だけど結局眠気には勝てなくて。再び眠りに落ちそうになったなのはを今度は抱きとめた。


「ふぇ、とちゃん?」
「うん」
「ふぇい、とちゃん」
「なに」
「にゃはは。すきぃ」

ぎゅーっと首に腕を巻きつけて猫のように鼻先を擦りつける。二度三度と繰りかえし、気がつけば聞こえる穏やかな寝息。結局全部なのはに先を越されて、言おうとした言葉は宙ぶらりんのまま。
心はぽかぽかしていたけれど、何とも言えない気持ちに苦笑を浮かべるしかなかった。

















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  1. リリカル パラレル
  2. | comment:0
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